♰「人への奉仕のため身をかがめることが天国への控えの間を作る」-枢機卿・司教の追悼ミサで

(2019.11.4 バチカン放送)

 教皇フランシスコが4日、バチカンの聖ペトロ大聖堂で、過去一年間に亡くなった枢機卿と司教の追悼ミサを捧げられ、説教で「私たちは死ぬために生まれたのではありません。復活のために生まれたのです」と強調された。

 ミサの参加者たちに対して、教皇は、「復活という召命」に応えるために、「自分の殻から抜け出し、毎日、主に向かうことができるか」「助けを必要とする人を憐み、手を差し伸べることができるか」「神の御前で重要な決断を下しているか」を自問することを勧められた。

 そして、「生きておられる方、イエスに向かうことは、死への恐れ、全てが終わってしまうことへの恐れに対する予防になります」とされ、「今日、『自分の仕事を通して主と向かい合い対話したか』『出会った人々をイエスと関わらせ、イエスへの祈りの中で彼らを思い起こしたか』『自分の歩みはどこに向かっているのか』を考える必要があります」と語られた。

 また、「母の胎から出て、幼児期や青年期、壮年期を経て、この世を後にするように、全人生は外へと向かうことにあります… 最も困難で大切なのは、自分自身から出ること。自分の殻を出てこそ、主へと向かう扉を開くことができるのです」と強調。「他人に対する憐みは永遠への扉を開き、人々に奉仕するために身をかがめることは天国への控えの間を作ることになる」とも話された。

 最後に教皇は、聖イグナチオの霊操に倣い、重大な決心をする時、神の御前で考え、自分が神の審判の日にいるように、「現実を主の目で見つめ、未来と復活に眼差しを向けることが、霊的に役立つ訓練となる」と勧められた。

 なお、この一年の間に世界の教会で亡くなったのは、枢機卿が13人、司教が147人。

(編集「カトリック・あい」)

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2019年11月5日