♰「主の復活は、最後に勝つのは『死』ではなく『生』だ、と告げている」復活の月曜日に

 

教皇フランシスコ、2020年4月13日、「復活の月曜日」の正午の祈り教皇フランシスコ、2020年4月13日、「復活の月曜日」の正午の祈り  (Vatican Media)

(2020.4.13 バチカン放送)

 教皇フランシスコは13日の「復活の月曜日(天使の月曜日)」、バチカン宮殿図書室からビデオを通して正午の祈りを唱えられた。カトリックの教会暦では、「復活の主日」から「聖霊降臨」までの50日間を「復活節」とし、特に「復活の主日」から次の主日(日曜日)までを「主の復活の8日間」と呼ぶ。

 祈りに先立つ説教で、教皇は「イエスの復活は、最後に勝利するのは『死』ではなく『命』だ、と告げています」とされたうえで、御子の復活を通して「神なる御父は、ご自身の満ち満てる愛と慈しみを、あらゆる時代の人類に表された」とし、「復活の主における信仰に強められ、苦しみや試練の中にも力を得ることができるように」と願われた。

 そして、復活節の聖母賛歌「レジーナ・チェリ(天の元后)」を唱えられた。

 教皇の説教は以下のとおり。

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親愛なる兄弟姉妹の皆さん

 今日、天使の月曜日に、キリストの復活の喜ばしい知らせが再び響きます。今日の福音書の朗読箇所(マタイ28章8-15節)で、イエスの空の墓を見た婦人たちが、恐れながら立ち去る場面が語られます。しかし、そこにイエスご自身が現れ、「恐れることはない。行って、兄弟たちにガリラヤへ行くように告げなさい。そこで私に会えるだろう」(同28章10節)と言われました。

 こうして復活の主は、使徒たちへの宣教者としての委任の言葉を婦人たちに託しました。婦人たちは、キリストに対する忠実と献身、愛の模範を、イエスの公生活の間も、またその受難の時も、賞賛すべき形で示しました。そして、今、婦人たちは、復活の主からの特別な配慮をもって、報いられたのです。

 最初に婦人たちが、そしてペトロを始めとする弟子たちが、復活の現実を確認することになりました。イエスは、受難と十字架を経て復活すると、彼らに何度も予告していました。しかし、弟子たちにはまだ用意ができていなかったために、それが理解できませんでした。彼らの信仰はさらに深められる必要がありました。復活の主の賜物である、聖霊だけが、それを促すことができたのです。

 「使徒言行録」の初めの部分で、私たちは、ペトロが率直さをもって、このように宣言するのを聞きます-「神はこのイエスを復活させられたのです。私たちは皆、そのことの証人です」(使徒言行録2章32節)。その瞬間から、復活したキリストの知らせは、あらゆる場所、地上の隅々まで広がり、すべての人の希望のメッセージとなりました。

 イエスの復活は、最後に勝利するのは『死』ではなく『命』であると告げています。御一人子を復活させることで、神なる御父は、ご自身の満ち満てる愛と慈しみを、あらゆる時代の人類のために表されました。

 キリストが復活したなら、人生のあらゆる出来事、たとえ最も困難や苦悩、不確実性に満ちたものであっても、私たちはそれを信頼をもって見つめることができます。これが、言葉と、また特に生活の中の証しを通して、私たちが宣言するよう招かれている復活祭のメッセージです。私たちの家に、心に、この喜びの知らせが響きますー「私の希望である、キリストは復活されました!」。この確信が一人ひとりの信者の信仰を強め、特に大きな苦しみと試練にある人々を力づけますように。

 御子イエスの死と復活の沈黙の証人であるマリアよ、この救いの神秘を確信することができるよう、私たちをお助けください。この神秘を信仰のうちに受け入れるならば、人生を変えることができるでしょう。これを復活祭のお祝いのメッセージとして、すべての人に送ります。私たちの御母よ、この願いをあなたに託します。さあ、レジーナ・チェリの祈りを唱えましょう。

 

*新型コロナウイルスの感染と戦う世界の女性たちのために祈る

 また、バチカン広報局発表によると、教皇は、祈りの後、新型コロナウイルスによる世界的危機の中での、女性たちの活躍に感謝して次のように語られた。

 私たちは福音書で、女性たちがイエスの復活を弟子たちに告げたことを聞きました。今日、私は世界中の数多くの女性たちが人々のケアに努めておられることを改めて思い起こします-現在起きている危機の中にあってさえも、女性の医師、看護師、治安部隊の兵士、刑務所の看視、生活必需品を供給している店舗の従業員…そして家の中で家族、子供たち、お年寄り、身体の不自由な方の世話をされている多くの母親、姉妹たちに… 彼女たちは時には、過度な重荷を負う過酷な環境で戦っているのです。

 彼女たちの為に祈りましょうー主が彼女たちを力づけてくださいますように、そして私たちの共同体が、彼女たちを、その家族とともに支えますように。

(編集・翻訳「カトリック・あい=聖書の引用箇所の日本語訳は「聖書協会共同訳」を使用。「わたし」「いのち」などの表記は原則として、当用漢字表に基づいて改めました)

 

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2020年4月14日