♰「キリストは生ける水の源」-日曜正午の祈りで

Pope Francis prays the Angelus in the Apostolic LibraryPope Francis prays the Angelus in the Apostolic Library 

(2020.3.15 VaticanNews) 教皇フランシスコは15日、新型コロナウイルスの感染防止のため、バチカン宮殿の図書室から動画配信の形でなさった正午の祈りの説教で、井戸の側でイエスがサマリア人と会われたことに触れたこの日の主日のミサの福音書朗読箇所(ヨハネ4章5-42節)について語られた。

「それで、イエスはヤコブがその子ヨセフに与えた土地の近くにある、シカルというサマリアの町に来られた。そこにはヤコブの井戸があった。イエスは旅に着かれて、そのまま井戸のそばに座っておられた。正午ごろのことである」

 教皇は「イエスは疲れています。のどが渇いています… 井戸のそばで休んていると、女の人が水を汲みにやって来たので、イエスは彼女に水を飲ませてください、と頼みます。そのようにすることで、ユダヤ人がサマリア人を軽蔑し、作っていた壁を破りました」と説かれた。

 そして「イエスは彼女と話を始めます。その中で、彼は、生きている水の神秘について、聖霊と神の賜物について、彼女に語ります」とされたうえで、「二人の話のポントは”水”です… 体の渇きをやわらげ、命を維持するために欠かすことのできない要素としての水、そして、永遠の命をくださる神の恵みの象徴としての水、です」と語られた。

 さらに教皇は「聖書の伝統では、神は生ける水の源とされており、神から離れ、神の律法が最悪の干ばつをもたらしました」と述べ、砂漠をさまようイスラエルの民を例に挙げ、神がご意思として、モーセに岩から水を流れ出させるようにされた、ことを示され、「使徒パウロも、その岩をキリストの象徴と解釈しています」と言われた。

 「救いを渇望する人は、それをイエスから何の束縛もなく引き出すことができます… イエスがサマリア人の女性に与えた”生ける水”の約束は、イエスの受難において現実のものとなるのです」とされた教皇は、「ご自分をいけにえとして捧げ、復活された神の子羊、キリストは、罪を赦し、新しい命へとよみがえらせる聖霊の湧き出る泉です」と強調。

 そして、「サマリア人の女性のように、”生けるイエス”と直に出会う人は誰でも、イエスについて他の人に話す必要があると感じます… 誰もが『イエスが本当に世界を救われる方だ』と公言するように」とされたうえで、「私たちも、自分の内にある命と希望を証しするように求められているのです」と呼びかけ、次の祈りで締めくくられた。

「聖母マリアが、生ける命の源、私たちが心に抱く命と愛への渇きを満たすことのできる唯一の方、キリストへの願望を培う私たちを助けてくださいますように」

(翻訳「カトリック・あい」南條俊二)

 

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2020年3月15日