(2021.9.11 VATICAN NEWS)
教皇フランシスコに至る歴代3人の教皇は、20年前に米国を襲った9.11同時多発テロによる破壊と”遺産”に向き合い、平和と友愛を、繰り返し喚起してきた。
同時多発テロの翌日、2001年9月12日は、バチカン恒例の教皇の一般謁見の日に当たっていた。教皇ヨハネパウロ2世は「米国に死と破壊をもたらしたテロ攻撃に、深い悲しみを表明することなく一般謁見を始めることはできません」と前置きして、「たとえ闇の勢力が優勢であるように見えても、神を信じる人々は、『悪と死』が最終決定権を持っていないことを知っています」と強調した。
教皇ベネディクト16世は2008年4月20日、教皇として初めて同時多発テロの”聖地”、ニューヨークのGround Zeroを訪れ、英語で「殺された人々の永遠の光と平和、彼らの家族の癒し」を祈られた。そして、「国々の間で、そしてすべての人の心に真の平和と愛が君臨する世界の実現へ、たゆまぬ努力をする知恵と力をお授けください」と主に祈られた。
続く教皇フランシスコも、2015年に米国を訪問された際、Ground Zeroに赴き、すべての犠牲者の名前が刻まれたモニュメントの前で、長く沈黙のうちに祈り、一輪の白薔薇を捧げられた。また、宗教間会議で、世界のすべての宗教が力を合わせて平和を促進するように呼びかけ、「世界の人々の相違と意見の不一致にもかかわらず、私たちは平和な世界を手に入れることができます」と訴えている。
(翻訳・編集「カトリック・あい」)南條俊二)