☩環境悪化の中で「共通善の追求に一層の努力を」と教皇が激励ー「世界報道自由デー」に

File photo of dummies with press jacketsFile photo of dummies with press jackets  (AFP or licensors)

世界の自由で人々の役に立つ報道を巡る環境は、現在も続く新型コロナウイルスるの世界的大感染の中で、一段と悪化している。世界のジャーナリストが参加する「国境なき記者団(RSF)」が先日発表した年次報告書によると、世界のいつくかの国で新型コロナウイルスの大感染に乗じて制定された法律が、報道の自由をさらに抑圧する方向で働いている。

  今回の年次報告の「世界報道自由度の国別ランキング」では、世界180か国のうち自由度が最も低い国の一つが中国で、3年連続で180か国中第177位。「中国共産党(CCP)は、ネット検閲、監視、政治的宣伝活動を前例のない規模に拡大・強化している」とし、「中国政府は新型コロナウイルスの大感染に乗じて、オンライン情報の検閲をさらに強化した」と指摘している。

 また報告によると、以前から「世界で最も多くのジャーナリストを投獄している国」とされる中国では、報道の自由を支持する人々120人以上が拘束されており、コロナ関連の報道を理由に少なくとも7人のジャーナリストが逮捕・勾留されたまま。さらに450人を超えるソーシャルメディア・ユーザーが「コロナに関する”虚言”を流した」として一時的に拘留された。

 そして、「アジア太平洋地域ではいわゆる『検閲ウイルス』が中国外の地域を蝕んでおり、特に中国政府が国家安全法(香港国家安全維持法)を施行した香港(80位)ではジャーナリズムが深刻に脅かされている」とし、中国共産党による香港の「情報の全体主義的管理」は「重大な懸念」と警告している。

 国別の報道自由度ランキングで、中国よりもさらに低く評価されたのはトルクメニスタン、北朝鮮、エリトリア。特に北朝鮮については、「隣国の中国から教えてもらうまでもなく検閲に長けており、情報と国民を独裁統治するその体制の下で、自由度はおおむね最下位を続けている」とし、「海外に拠点を置く報道機関のウェブサイトを見ただけで、国民は強制収容所に送られる可能性がある」としている。

 またミャンマーに関しては、2月1日に発生した軍事クーデターで、報道の自由は10年前に後退したとし、ジャーナリストたちは「再び体系的な一斉検挙や検閲の恐怖に直面している。警察の目を欺きながら真実を正確かつ自由に報道するために、多くの記者は秘密裏に活動することを余儀なくされると考えられる」と指摘している。

 

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2021年5月4日