☩回勅「Fratelli Tutti(兄弟の皆さん)」を戴して、聖地や中東、エチオピアの平和を願うー東方教会支援事業会議関係者と共に

教皇フランシスコ、教皇庁東方教会支援事業会議の総会参加者と  2021年6月24日教皇フランシスコ、教皇庁東方教会支援事業会議の総会参加者と  2021年6月24日  (Vatican Media)

(2021.6.24 バチカン放送)

 教皇フランシスコは24日、バチカン宮殿で教皇庁東方教会支援事業会議の総会参加者とお会いになり、今年3月のイラク司牧訪問を思い起されて、念願であったこの訪問の実現に協力したすべての人に感謝された。

 また、この一年間の東方教会援助事業会議の活動を振り返る中で、昨年8月4日にベイルート港で発生した大規模爆発後の支援対応に言及。来月1日にバチカンで、レバノンのキリスト教諸共同体の指導者たちと「レバノンの憂慮される情勢について考察し、平和と安定の賜物を祈る一日」を予定しているが、「この集いのために聖霊の導きを祈って欲しい」と願われた。

 聖地の状況について教皇は、「イスラエルとパレスチナの間に平和の虹がかかること」を望まれる一方で、その空に「死と恐怖をもたらす兵器の轟音が響いていること」に遺憾の意を表明された。

 また新型コロナウイルスの世界的大感染がもたらしている経済危機と、人々が聖地に巡礼できなかった影響で、2020年度の「聖地のための献金」が、前年の約半分に減少したことにも触れ、聖地の教会や人々への連帯のために使われる献金の重要さを強調された。

 10年にわたる内戦で多くの犠牲者と避難民を出し続けるシリアの状況については、「当事者がそれぞれの論理から抜け出し、傷ついた国の善と復興のために勇気ある決断をする必要」を指摘された。

 また、エチオピアのティグレ州における内戦を憂慮され、民族間の争いと権力闘争に対し、教皇ご自身が回勅「Fratelli Tutti(兄弟の皆さん)」に込められたメッセージを改めて強調された。

 さらに、2016年のアルメニア訪問で「アルメニア使徒教会における全アルメニアの最高総主教・カトリコス、カレキン2世と平和の象徴である鳩を空に放ったこと」を振り返られ、最近の紛争でコーカサス地方の平和が再び傷つけられたことに、悲しみを表わされた。

 最後に教皇は、今回の東方教会支援事業会議の総会で特にアルメニア、ジョージアの状況に光が当てられたことに触れ、これらの国々で「カトリック共同体が福音的生活のしるし、パン種であり続けるように」と希望された。

 教皇庁東方教会支援事業会議は、東方教会省(長官:レオナルド・サンドリ枢機卿)の管轄下にある組織で、21日から第94回総会を開き、中東やアフリカから多くの関係者・専門家を招いて、聖地問題のほか、エチオピア、アルメニア、ジョージアなど、中東域の状況について幅広く意見を交換した。

(編集「カトリック・あい」)

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2021年6月25日