(2022.5.6 バチカン放送)
教皇フランシスコが6日、教皇庁キリスト教一致推進評議会の総会参加者たちとお会いになった。
あいさつの中で教皇は、新型コロナウイルスの大感染が世界中に悲劇的な影響を及ぼし、キリスト教一致のための活動も大きく制限されているが、「この危機はキリスト者たちの絆を強め、互いの弱さを分かち合い、共に神により頼むことで、一つの家族としての自覚を新たにする機会にもなりました」と語られた。
そのうえで、コロナ禍がまだ去らない中で、「今、全世界は別の悲劇に直面しています」とされ、ウクライナで進行中のロシアによる軍事侵攻に注意を向けられた。
教皇は「残忍で無分別なこの戦争は、『様々な民族と国々の社会的友情を基礎とする兄弟愛に満ちた世界共同体』の発展のために、キリスト教徒たちに何ができるのかを、それぞれの信者と教会の良心に問いかけています」と強調。
として、「この非人間的な戦争を目の当たりにしている私たちは、キリスト者の一致への熱意を新たにせねばなりません」と訴えられるとともに、「キリスト者同士の分裂が起きていることに慣れ、あるいは諦め、見て見ぬふりをすることは、”争いの土壌となる腐敗した心”の放置につながります」と警告された。
⇒教皇のこの言葉は、教皇はじめカトリック教会やギリシャ正教、ウクライナ正教の指導者たちが、ロシア正教の指導者、キリル総大主教に対して、プーチン大統領にウクライナ攻撃の停止を働きかけるよう重ねて求めているにもかかわらず、総大主教はこれを拒否するばかりか、ミサの説教などで繰り返し攻撃の正当性を主張、大きな亀裂を生んでいる現状を、念頭に置いたものだ(「カトリック・あい」)