☩「誰もが”塗油”をしてもらえるように」教皇の年間第15主日の正午の祈り

(2021.7.11 Vatican News staff writer)

   教皇フランシスコは11日、入院されているローマ市内のジェメリ病院10階バルコニーから、病院前に集まった信徒たちを前に、年間第15主日の正午の祈りを捧げられた。

 教皇はおなじみの「Buongiorno!」のあいさつとともに、やはり入院中の子供たちを伴って、バルコニーに出られ、日曜恒例の正午の祈りを信徒たちと共に捧げられることに喜びを表明された。そして、ご自身を支えてくれる人々に感謝され、今苦しんでいる人々、助けを必要としている人々の為に祈られた。

*マルコ福音書の”塗油”には二つの意味

 そして正午の祈りに続く短い説教の中で、今日の主日のマルコ福音書の箇所(6章7-13節)を取り上げられた。

 この箇所では、イエスの弟子たちが出かけてい行って、油を塗って多くの病人を癒やした(6章13節)ことが描かれているが、教皇は、この油は、病床にある人に「魂と身体に安らぎを与える」ものだが、「病床にある人に耳を傾け、近くにいて、世話をし、優しくする」、そして痛みを和らげ、気分を回復する「香油」でもある、と指摘された。

 そして、「私たちは皆、人生の中で、いつかこの”油”を塗ってもらうことを必要とする時が来るし、また(油を塗ってもらうだけでなく)家を訪ねたり、電話をしたり、助けの手を差し伸べたりすることを通して、他の人に”油”を渡すことができるのです」とされた。

 

*経済的理由で医療サービスが削減されないように

 また教皇は、4日の手術以降のジェメリ病院での個人的体験として、すべての人が利用できる優れた医療の重要性を改めて認識したことを語られ、「このような優れた医療が、多くの人々にもたらす医療・保健上の利益は失われてはなりません」と強調。そうした医療サービスを確保・拡大していくために、すべての人の理解と協力が求められており、経済的理由によって、医療サービスを人々に提供する力が損なわれるようなことは、あってはならない、と訴えられた。

*誰も独りぼっちにされないように

 教皇は最後に、医師や看護師・薬剤師・ 検査技師などの医療従事者、それを支える事務職員そしてスタッフたちに、深く感謝されるとともに、激励の言葉を送られた。そして、病める人たち、とくに極めて厳しい状況にある人たちのために、「誰も独りぼっちにされないように、誰もが、話を聴き、傍にいて、世話をしてもらえる”油”を塗ってもらえるように」と祈るように、それがいつも実現するように、私たちの母、Health of the Sickのマリアの執り成しを通して祈るように、すべての信徒に求められた。

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

 

 

 

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2021年7月11日