☩「衛生的な飲料水の確保は、人間の尊厳から発する権利」-バチカン”水”会議で

(2018.11.8 バチカン放送)

 「公益の管理:飲料水へのアクセスをすべての人に」をテーマとする国際会議が8日、ローマの教皇庁立ウルバノ大学で開催され、教皇フランシスコは「飲料水へのアクセスは、人間の尊厳に直結する権利として認識されるべき」とするメッセージを送られた。

 メッセージで教皇は「水は生命にとって本質的なもの」とされたうえで、世界の多くの地域において、衛生的な水へのアクセスがないために、人々が尊厳ある生活をおくることができない状況を指摘、「衛生的な水を得ることができない人々が、非衛生的な水が原因で病気になったり、しばしば亡くなっていることは、21世紀の人類にとって恥ずべきこと」と述べられた。

 さらに、残念なことに、飲用水を安定して得られない多くの国々では、「武器や軍用品の供給には事欠かないために、状況は悪化するばかりであり、収賄や経済的利害が、水へのアクセスを保証するための連帯精神に基づく努力を妨げている」として、「行政・教育・技術・経済のすべての組織が一体となり、強い意志をもってこの水問題に取り組まねばなりません」と訴えられた。

 回勅「ラウダート・シ」で述べた、真のエコロジーのための責任と連帯ある生活スタイルを提示する教皇は「(注:衛生的で安全な)飲料水へのアクセスは人間の尊厳から発する権利であり、水を単なる商品と見なす概念とは相容れません」とし、「福音的な教えとその精神は、人類家族の公益をすべての人が享受できるための、具体的な取り組みを強く促しています」と強調。マタイ福音書の「お前たちは、のどが渇いたときに飲ませてくれなかった」(25章42節)というイエスの言葉を引用しつつ、「信仰の眼差しをもって、すべての渇いた人の中に、神ご自身の姿を見つめるように」と呼びかけられた。

(編集「カトリック・あい」)

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2018年11月9日