☩「神の愛の福音をもたらす『預言的な証人』となれ」-未来の司祭たちに

Pope Francis addressing the Pontifical North American College in Rome Pope Francis addressing the Pontifical North American College in Rome   (VATICAN MEDIA Divisione Foto)

*司祭職への道は、”シノドスの道”

 また教皇は、司祭職への育成と準備の道は、”シノドスの道”を旅すること、とされ、「その旅の中で、あなたがたは、神の聖なる民をどのように助けるべきかを識別し、主の交わりの賜物を生き、宣教の弟子となるために、聖霊に耳を傾け、互いに耳を傾け合うことが求められいます」と強調された。

 さらに、洗礼者ヨハネと共にいた二人の弟子にイエスが会われた場面(ヨハネ福音書1章35‐42節)をもとに、司祭となるために不可欠な要素を三つ挙げられた。

*神との対話

 一つ目は対話。 教皇は、イエスに従った二人の弟子、アンデレとシモン・ペテロのように、神学校での育成を通じて、「主は、あなたがたと”個人的に対話”され、あなたがたが何を求めているのかを尋ねられ、来て見て、心から主と語るように、そして、信仰と愛で自信をもって神に身を委ねるように、勧められる」とされ、「イエスとの日々の関係を育み、特に祈り、神の言葉についての黙想、霊的な寄り添いの助け、”幕屋”を前にした沈黙の中でイエスに耳を傾けること、によって、育てられるのです」と語られた。

*神と神の民との交わり

 二つ目は、まず神との交わり、そしてキリストの体である教会で結ばれている人々との交わり。教皇は、ローマにおける司祭養成の過程で、「多様性の中に現れ、信仰の一体性に生きる教会の一致の謎」と「教会がそれを通して表現する慈愛の預言的な証し」の両方に目を向け続けるように、と勧められた。また、「助けを必要とする人々への教会の具体的に手を差し伸べる行為」は、「隣人の聖なる偉大さを知り、あらゆる人の中に神を見出し、神の愛により頼むことで、共に生きることのわずらわしさに耐えることのできる兄弟愛」(使徒的勧告「福音の喜び」92項)を育むために必要だ、と強調された。

*助けを必要とする人々に奉仕する使命

 そして3つ目は、他の人々、特に傷つきやすい人々や社会の周縁に追いやられている人々にイエスの福音を証しすること。 「今日の人々は、自分たちの疑問、心配、夢、に耳を傾けてくれるように、私たちに求めています。彼らに耳を傾けることによって、私たちは、全ての人に希望の火をともし、命を新たにしてくださる神に、彼らを導くことができるのです」と指摘。

 「あなたがたが既に関わっているさまざまな教育や慈善の使徒職を通じて、霊的、肉体的な慈悲の業を行うとき、あなたがたは、『常に前に進む教会』のしるしになると私は信じています(「福音の喜び」20項参照 )。イエスの臨在、思いやり、そして愛を、私たちの兄弟姉妹と分かち合うのです」と説かれた。

 教皇は講話の締めくくりとして、ローマでの学びで得た経験と教皇庁立北米神学校での育成によって、「神への忠実な愛と、私たちの兄弟姉妹への謙虚な奉仕において成長することができるようになるように」と祈られ、同神学校と米国の守護者である無原罪の聖母マリアに取次ぎを願われた。

 

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

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2023年1月14日