☩「神と隣人への愛が、私たちの心の中に響き渡るように」第31主日正午の祈りで

(2021.10.31  Vatican News staff writer)

   教皇フランシスコは31日、年間第31主日の正午の祈りの説教で、この日のミサで読まれたマルコ福音書の箇所(12章28b~34節)を取り上げ、律法学者にイエスが答えられた言葉(29~30節参照)を引用して、「私たちの心を尽くし、魂を尽くし、思いを尽くし、力を尽くして、神を愛し、隣人を自分自身として愛しなさい(旧約聖書レビ記19章18節・英語公式訳= love one’s neighbour as oneself )」と会衆に呼びかけられた。

 この場面で、律法学者の「あらゆる戒めのうちで、どれが第一でしょうか」との問いかけに、イエスは「第一の戒めは神を愛することであり、第二の戒めは隣人を自分自身として愛すること」(30節参照)と答えられ、律法学者は、この言葉を確認するように繰り返している(33節)。

 教皇は、「この繰り返しは、教えの重要性を強調し、神の言葉は『特別な方法で受け取られなければならない』ということを理解するのに役立ちます」とされ、「私たちは、この言葉を繰り返し、自分自身のものにし、守らねばなりません」と語られた。

*神の言葉は深く思いめぐらす必要

 さらに教皇は「修道生活の伝統では、神の言葉は、“ruminate(深く思いめぐらす)”必要がある、とされています。「心を尽くし、魂を尽くし、思いを尽くし、力を尽くすように」とイエスが言われるように、とても〝栄養価”が高く、人生のあらゆる側面で育て、よく味わう必要があるからです」と説かれt。そして、イエスの言葉を理解した律法学者に「あなたは、神の国から遠くない」と言われたように、『主が心の中に住んでおられる』ことを深く思い、私たちの中で共鳴し、こだますように、せねばなりません」と強調された。

*福音を何度も読み直そう

 また、「主が求めておられるのは、「熟達した聖書解説者」よりも、ご自分の言葉を進んで受け入れ、内面の回心ができるようにする「素直な心を持った者」だと知るように言われ、「いつも福音書を手に持ち、何度も読み直し、夢中になるように」と勧められ、そうすることで、神の言葉は私たちの心の中に深く入り、「私たちは、神において実を結ぶのです」と語られた。

 今日のミサで読まれたマルコ福音書の箇所は、「私たちが神と隣人を愛する必要のあることを読み、理解するだけでなく、この重要な戒めが、聖霊が私たちの中に御言葉の種を発芽させるように、私たちの心の中に響き渡り、良心の声となるようにせねばならない、と私たちに教えています」とされ、そうすることで「私たち1人ひとりは、『神からいただいた愛の言葉』の類ない表現を伝えることができるのです」と言明された。

*イエスの言葉を繰り返そう

 説教の最後に、教皇は会衆に対し、イエスの言葉ー「心を尽くし、魂を尽くし、思いを尽くし、力を尽くして、神を愛し、隣人を自分自身として愛しなさい」を繰り返し、私たちの心の中で活性化させるように促された。そして、聖母マリアに、「私たちの心に、福音の生きた言葉を進んで迎え入れるように導いてください」と祈られた。

 (翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

 

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2021年10月31日