☩「福音を告げる”仕事”に定年はない」ー7月25日「祖父母と高齢者のための世界祈願日」に向けて

7月25日「祖父母と高齢者のための世界祈願日」に向け教皇メッセージ(2021.6.22 バチカン放送)

 教皇フランシスコが22日、7月25日の第1回「祖父母と高齢者のための世界祈願日」に向けたメッセージを発表された。

 「祖父母と高齢者のための世界祈願日」は、教皇が今年1月に創設を発表されたもので、イエスの祖父母、聖ヨアキムと聖アンナの日(7月26日)に近い、7月の4番目の日曜日に記念される。初回にあたる今年の同祈願日のテーマは「私はいつもあなたがたと共にいる」(マタイ福音書28章20節参照)。

 教皇はメッセージで、イエスが昇天前に弟子たちに言われた「私はいつもあなたがたと共にいる」という約束は、「高齢者の方々にも向けられたもの」とされ、「全教会もまた、皆さんに寄り添い、皆さんを独りにしてはならない、と願っています」と記された。

 また、現在起きている新型コロナウイルスの世界的大感染と取り上げられ、「思いがけない嵐のようにそれぞれの生活に試練を与えましたが、とりわけお年寄りに与えた影響は、厳しいものでした」と語られた。

 そして、多くの高齢者が感染し、亡くなり、あるいは配偶者や家族を失い、長い間孤立した生活を強いられている最近の状況を振り返られる中で、「主は私たち一人ひとりの苦しみを知り、痛ましい経験をした人々の側におられ、その孤独を心にかけておられます… 子に恵まれないために共同体から遠ざけられた聖ヨアキムをなぐさめるために、主が天使を遣わされたように、主は私たちにも、孤独を和らげるために天使を遣わしてくださします」と、世界中で悩み、苦しむお年寄りたちを励まされた。

 さらに、「これらの天使たちは、時には皆さんの孫や家族や友人の顔を持っています… しかしながら、いまだに、多くの場所で、親しい人たちと会うことができないでいるのは、悲しいこと」。それでも、「主はみ言葉を通しても、メッセージを送ってくださるのです」とされ、福音書を毎日1ページ読み、詩編で祈ることで、主の誠実さに感動し、主が今日、私たちに願われていることを理解することができるでしょう」と勧められた。

 また教皇は、「主はご自分のぶどう畑に、あらゆる時、人生のいかなる季節でも、働くよう人を遣わされます… 福音を告げるための仕事に定年はありません。 高齢者の召命とは、”ルーツ”を守り、若い人に信仰を伝え、小さな子どもたちの世話をすること… 社会に兄弟愛、友愛を築くためには、お年寄りたちの力が必要です」と強調。新しい社会の構築に必要な柱として「夢」「記憶」「祈り」の3つを挙げられた。

 まもなく列聖される福者シャルル・ド・フーコー神父がアルジェリアの砂漠で隠遁士として孤独な生活を送りながらも、すべての人が兄弟であることを証ししたことを思い起こされた教皇は、「福者フーコー神父に倣い、私たちも貧しい人々の苦しみに心を開くことができますように」と祈られ、高齢者たち一人ひとりが、「私はいつもあなたがたと共にいる」という慰めに満ちた主の言葉を、「若い人をはじめ、すべての人に伝えることができるように」と願われた。

(編集「カトリック・あい」)

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2021年6月23日