☩「核兵器の保有も使用も、あってはならないこと」教皇、岸田首相と会談

Hiroshima atomica bomb explosion Hiroshima atomica bomb explosion  

(2022.5.4 Vatican News  Linda Bordoni)

 教皇フランシスコが4日、欧州歴訪中の岸田首相と会談され、「核兵器の保持も使用もあってはならないこと」と述べ、核兵器に反対するこれまでの意向を確認された。

 バチカン広報局のブルーニ局長によると、会談は約25分間にわたって行われ、岸田首相の故郷でもある広島に落とされた原爆、そしてその保持と使用を中心に話し合われた。

*教皇、広島訪問を振り返り、核廃絶の必要性確認

 教皇は2019年11月に日本を訪問され、翌年に被爆75周年を迎える広島にお出でになり、広島平和資料記念館で祈られ、被爆者と会われている。首相との会談で、このことを思い出されてこう語られた。

 「平和が栄えるためには、世界のすべての人々が戦いの武器、特に最も強力で破壊的な武器、つまり都市全体、国全体の自由を奪い、破壊し得る核兵器を手放すべきことが、これまでになくはっきりしています」。

 日本を訪れられた時、教皇は「核兵器を持つことも、(注*使用するために)配備することも、反道徳的です」と語られていたが、岸田首相との会談でも、核兵器の廃絶を改めて主張、昨年発効した国連の核兵器禁止条約への支持を確認された。

*日本・バチカン国交樹立 80 周年、二国間協力とカトリック教会の貢献

 またバチカン広報局の発表では、教皇と岸田首相の会談では、双方から日本・バチカン国交樹立から今年で 80 周年を迎え、両国間の協力に満足が表明され、日本社会の多くの分野でカトリック教会が貢献していることについても、高く評価された。

 さらに、ロシアによる軍事侵攻で大きな犠牲が出ているウクライナの状況についても、意見が交わされ、対話と平和実現が緊急に求められていることを確認。関連して恒久的な平和のために「核の無い世界」が必要であることが強調された。

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

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2022年5月4日