(2022.11.27 Vatican News staff writer)
待降節に入り、主の降誕の祝いを迎えようとしているエルサレムなどイスラエルで武力抗争が激化の様相を呈している。
このことに深く心を痛められた教皇フランシスコは27日の正午の祈りの中で、イスラエル、パレスチナ両当事者に対して「永続的な平和のための相互信頼を構築へ、対話を進める方法を見つける」よう、強く促された。
教皇は、過去数か月にわたってパレスチナとイスラエルで起こった暴力と戦闘の増加について、「懸念を持って注目している」とされた。
そして、先週に起きた、イスラエル人少年など多くの死傷者を出したエルサレムでの惨劇と、ナブルスでの武力衝突でパレスチナ人少年が死亡した事件を思い起こされ、「暴力は未来を殺し、若者の生活を打ち砕き、平和への希望を挫いている」と警告するとともに、すべての人に、「亡くなった若い人たちと家族、特に母親のために」祈るよう呼びかけられた。
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イスラエルでは、今夏からヨルダン川西岸地区の主要都市などを中心に、パレスチナ武装勢力がイスラエル軍を攻撃する事件が増加し、これに対して軍が武装勢力の拠点を襲撃し、そのたびにパレスチナ側に死者が出ている。国連によると、今年に入ってイスラエルとパレスチナの衝突によって西岸及び東エルサレムでの死者は、パレスチナ人だけで125人。9月だけで32人が亡くなり、311人が負傷した。ウェネスランド国連中東和平問題特使は、2022年は西岸のパレスチナ人の犠牲者数が最多となる恐れがある、と警告している。(「カトリック・あい」)