キューバ危機
(2022.7.3 Vatican News Devin Watkins)
教皇フランシスコは3日、年間第14主日の正午の祈りの後で、ロシアによる軍事侵攻がいまだに止まらないウクライナの現状を改めて思い起こされ、速やかな和平の実現、関係国の首脳と国連など国際機関に「対立的なうわべだけの言葉のやり取り」から脱却するよう、強く求められた。
教皇はまず、「ウクライナと世界の平和を祈り続けましょう」と会衆に呼びかけられた。そして、ウクライナと世界の真の平和は「”武器や恐怖の均衡”を基礎に置くことはできない。そのようなやり方は、時計の針を(注:東西冷戦が激化した)70年前に戻してしまいます」と警告。
そして「紛争と対立を煽り立てる傾向に立ち向かうよう、各国の首脳と国際機関に訴えます」と強調された。さらに、ウクライナにおける悲惨な戦いを止めることは、「『対話を通じて、将来の世代のために、より良い世界を構築する力を持つ、賢明な政治家』が取り組むべき課題であり、まだ取り組むのに遅すぎることはありません。神の助けがあれば、いつでも可能です!」と訴えた。
さらに教皇は、ウクライナと世界の平和実現のために、「世界の国々に求められるのは、現代、支配的になっている『世界は、対立する勢力の間で分割・支配されるもの』という考えを、『世界は相互に尊重し合うもの』にパラダイムシフト(発想転換)すること。私たちは、政治的、経済的、軍事的な力に基づく戦略と袂(たもと)を分かち、世界平和のためのプロジェクトに移る必要があるのです」と強く促された。
(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)