ウクライナに対するロシアの軍事侵攻の危機が高まる中、教皇フランシスコはご自身が提唱された26日の「平和のための祈りの日」に、世界の政治指導者たちが危機回避、和平実現へ努力を尽くすよう祈られた。
教皇の祈りは、水曜恒例の一般謁見での講話に続いて行われたもので、教皇はその中でまず、世界の信徒たちに、ウクライナの平和のために祈るよう、求められた。そして、「ウクライナが兄弟愛の精神の中で成長し、すべての傷、恐れ、対立が克服されますように、今日この日の祈りと願いが天に届き、また世界の指導者たちの心を打ち、対話が主導権をとり、個別の利益よりも共通善が優先されますように」と祈られた。
そして、この私たちの平和への祈りが、父なる神の言葉とともになされるように願い、「それは御父への息子と娘の祈り、私たちを兄弟姉妹にする祈り、和解と一致を嘆願する子の祈りです」と説かれた。
ウクライナへの平和の祈りは、米国や他の世界の指導者たちが「ロシアが、ウクライナへの軍事侵攻を準備している」と非難を続け、ロシアのプーチン大統領はこれを否定する中で行われた。
ウクライナでは、ロシア軍部隊がウクライナ東部の分離主義者を支援する形で侵攻を始めた2014年以来、すでに約1万4000人に上る死者を出しているが、現在は、プーチン大統領の”否定発言”とは裏腹に、ロシア軍が10万人規模でウクライナとの国境沿いに部隊を集結し、全面的な軍事侵攻の姿勢を見せている。
これに対して、米国は、ロシアとの外交交渉を続ける一方で、ロシア側の出方次第で、欧州各国とともに、武力によるロシア軍の侵攻阻止の用意に着手。バイデン大統領が8500人の米軍部隊の派遣を発表している。
(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)