☩「対話に努め、貧しい人たちの近くにいるように」教皇、セミナー参加の新司教たちに

Pope Francis meeting with new Bishops participating in the formation course organized by the Dicasteries for Bishops and for Eastern Churches
  (Vatican Media)

 アフリカ、アジア、アメリカ、オセアニアの新司教たちなど約200人が参加するバチカン福音宣教省主催の教育セミナー「新型コロナウイルスの世界的大感染後の変化の時代における福音宣教‐司教の奉仕」が1日から教皇庁立使徒聖パウロ大学で開かれ、教皇フランシスコがセミナー最終日の19日朝、バチカン宮殿で参加者たちと会見された。会見は、自由で率直な意見交換ができるように非公開で行われた。

 出席者によると、教皇この会見は1時間半にわたって行われ、新司教たちを歓迎するとともに、「貧しい人たちの近くにいることを忘れないように。この地球上で、すべてのものは互いに結びついており、すべてのものはケアを必要としていることを認識するように」と求められた。

 また、教皇は彼らに、「先輩の司教たちから直接、話を聞くようにー彼らのこれまでの経験、置かれている状況、そして願いを聞くように」と勧められた。

 セミナーに参加した新司教の一人、ブラジルのマウリシオ・ダ・シルバ・ヤルディム司教によると、この会見も、それに先立つセミナーの一連の会議も、教皇が以前から強調されておられるsynodal(共働的)雰囲気にあふれた形で行われ、議長役がテーマを絞って話した後、参加者に、今世界中で起きている具体的な課題や問題ー飢餓、暴力、社会的不平等、移民・難民、政治的危機や健康上の危機、倫理的、社会的問題ーについて自由に語るように会議が進められた。この中で、アマゾン地域で深刻になっている鉱業開発や違法森林伐採など環境破壊の問題なども、参加者や教皇に関心を深めてもらえた、という。

 また、セミナーの他の会議では、教皇フランシスコが出された使徒的勧告「(家庭における)愛の喜び」、回勅「兄弟の皆さん」、環境回勅「ラウダ―ト・シ」などを改めて深く読み直す機会が与えられ、様々に異なる現場に置かれている新司教たちが共に歩み、「民の牧者」であるように励まされ、教皇が提唱される福音宣教の原則ー霊的交わりと参加の synodal(共働的)な教会の実現ーに沿って、自分の教区でどのように取り組むかについてのアイデアをもらう機会ともなった、という。

 また教皇は、この一連の新司教セミナーの機会に、17日、宣教地域から参加した司教たちとも会見し、新司教たちに対して、「常に信徒のそばにいること、主との交わり、自分の教区の司祭との交わりを深めること」と求められた。そして、「常に祈るように。祈りがなければ、主から離れ、”枯れてしまう”」と司牧における祈りの重要性を強調された。参加したある司教によれば、教皇は、司教たちが兄弟として団結すること、同僚の司教、司祭、信徒たちの教区の共同体の傍にいるように、と強く呼びかけられた、という。

 (翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

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2022年9月20日