(2022.11.9 VaticnNews Linda Bordoni)
教皇フランシスコは9日、水曜恒例の一般謁見で、ロシアが続けているウクライナ軍事侵攻への懸念を改めて表明され、武器を放棄し、対話による解決を関係国に訴えられた。また、世界中で死と破壊をもたらしている多くの”忘れられた戦争”についても触れられた。
教皇は、「幼稚な武器の論理」を強く批判、ウクライナにとどまらず、シリア、イエメン、ミャンマーなどで続いている”戦いの狂気”を止めるための対話を訴えられた。
そして、「私は、世界中で続いている正気の沙汰でない戦争を思い浮かべます。まったく正気の沙汰ではありません!」と現状を強く批判。
「苦しめられ続けるウクライナはその犠牲者。そして他の多くの地域でも、多くの犠牲者が出ています。子供じみた武器の論理によって紛争が解決されることは決してありません。対話の穏やかな力によってのみ解決されるのです」と強調された。
また、教皇は、苦しめられ続けるウクライナのことは当然として、「何年も続いてきた戦争」についても考えるよう呼びかけ、「シリアについて考えてみましょう、 10年以上も内戦が続いています。イエメンの子供たちのこと、ミャンマーのロヒンギアの人たちのことも考えてみましょう」とされ、続けて、「戦争は何をもたらしますか?人類を破壊し、すべてを破壊します。 紛争は、戦いで解決されるべきではありません」と説かれた。
最後に教皇は、一般謁見に参加したポーランドの巡礼者たちに、明後日がポーランドの独立記念日であることから、「この重要な記念日が、すべての人に神への感謝の気持ちを抱かせますように、そして、あなたの国、世界、特に近隣のウクライナでの友愛、生命の保護、人間の尊厳への新たな約束となるように」と祈られた。
(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)