☩「夫婦が一致を保つことを可能にするのは、与え合う愛」日曜正午の祈りの集いで

(2018.10.9 バチカン放送)

 教皇フランシスコは7日、日曜正午の祈りの集いの説教で、結婚をめぐるイエスの教えについて語られた。

 この日曜日の福音朗読箇所(マルコ10章2-16節)で、イエスはファリサイ派の人々から「夫が妻を離縁することは、律法にかなっているでしょうか」と尋ねられ、「モーセは何と命じたか」と問い返すと、彼らは「モーセは、離縁状を書いて離縁することを許しました」と言った。そこで、イエスはモーセのこの掟について「あなたたちの心が頑固なので、このような掟を書いたのだ」と答えた。

 教皇は、「イエスは御父から来る叡智と権威をもって『モーセのこの掟は、私たちの利己主義が生んだ過ちに対し、必要上とった一つの譲歩であり、創造主の本来の意図に合致しない』ということを言っているのです」と説明。

 続いて、この個所でイエスは「天地創造の初めから、神は人を男と女にお造りになった。それゆえ、人は父母を離れてその妻と結ばれ、二人は一体となる」(同10章6-8節)と、「創世記」にさかのぼって、創造主の本来のご計画を示しつつ、「従って、神が結び合わせてくださったものを、人は離してはならない」(9節)と説いている。

 イエスはこれを通して「男女は結婚において、互いに認め合い、補い合い、助け合うよう招かれている、ということを教えています」。イエスのこの教えは「大変明確で、忠実を必要とする愛の絆としての、結婚の尊厳を保護するものです」と強調された。そして、「結婚において、夫婦が一致を保つことを可能にするのは、キリストの恵みに支えられて、互いに与え合う愛であり、これに対して、、自分の満足のために、個人の利害を優先させる時、夫婦の一致は保てなくなります」と注意された。

 また、教皇は「この日の福音は、愛を共に生きるように召された男女が、結婚を、痛ましくも危機に陥らせるような態度を取る可能性があることを、大きなリアリズムをもって思い起こさせています」とされ、「イエスは、夫婦関係を挫折に至らせるすべてを容認しないことで、人間関係の力と美しさが際立つ、結婚という神のご計画を確認しようとしているのです」と述べられた。

 そして、「教会は、聖書と伝承からもたらされた家庭の素晴らしさを、飽くことなく確認する一方で、壊れた関係を体験する人々や、苦労のうちに関係を維持している人々に、母として具体的に寄り添う努力をしています」と話され、「傷ついた愛は、いつくしみと赦しを通して、神によって癒されます。ですから、教会はこの状況において、すぐに裁くことなく、傷を受けた心を神に再び導くために、愛といつくしみを伝える存在となるよう召されているのです」と説かれた。

 最後に教皇は「夫婦たちが、神の贈り物としての絆を生き、常に新たにしていくことができますように」と聖母の取り次ぎを祈られた。

(編集「カトリック・あい」)

 

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2018年10月9日