☩「地球の”叫び”に、もっと注意深く耳を傾けよう」教皇、ラウダート・シ週間を開始・復活節第六主日の正午の祈り

(2022.5.22 Vatican News  Thaddeus Jones)

 教皇フランシスコは22日、復活節第六主日の正午の祈りで、ラウダート・シ週間(22日~29日)の始まりを告げられた。教皇は「今日、ラウダート・シ週間が始まります。私たちが、地球の叫びにもっと注意深く耳を傾け、”共通の家”を世話するために共に行動するように」と促され、この週間を担当するバチカンの人間開発の部署と多くの関係組織の働きに感謝するとともに、世界中の信徒の参加を呼びかけられた。(この部分は、バチカン広報発表)

 また、この日のミサで読まれたヨハネ福音書の箇所を取り上げた説教で、教皇は、イエスが最後の晩餐で弟子たちに別れを告げられた場面を思い起こされ、イエスが、ご自分は間もなく世を去るが、「平和をあなたがたに残し、私の平和を与える」(14章27節)と語られたことに注意を向けられた。

 「このイエスの言葉は、イエスの愛情と沈着を表していますが、その心は決して穏やかなものではありませんでした。なぜならユダが、イエスを裏切るために席を立ち、ペトロは間もなくイエスの弟子であることを否定し、他のほとんどの弟子たちもイエスを捨てて逃げてしまうのですから。それでも、イエスは最後まで平静を保ち、優しかった」と語られた。

 そして、教皇は、「イエスの人生の最後の数時間は、その人生全体の本質を要約しています… イエスは、この時に恐れと痛みを感じますが、苦しみや怒りに身を任すことはありません。イエスは平和でした。それは、天の父への信頼からくる柔和な心がもたらす平和です」とされ、「自分の心の中に平和がなければ、他の人に平和をもたらすことはできない」と指摘。

 「イエスは、どのような時にも従順な心を持つことが出来るのを示しておられます。イエスは、最も困難な時でさえも、それを実行されました。私たちがイエスの平和の”相続人”なのですから、私たちにもそのように振る舞うことをイエスは望んでおいでです」と強調された。

 さらに、「柔和で、開かれた心をもち、他の人の話を聴き、緊張を和らげ、調和をもたらすことができるように」と信徒たちに求め、「多くの言葉や説教よりも価値のある、最も重要なものは、私たちの行動です」と強調。「イエスの弟子である私たちは、人々の間で緊張を和らげ、葛藤を解きほぐし、怒らず、親切に対応しようとしているでしょうか」と問いかけられ、このように振る舞うことは、「私たちにとって大きな課題」とされた。

 また教皇は、「平和をあなたがたに残し、私の平和を与える」という言葉は、「私たちが平和を実現しようと懸命に努力するとき、助けとなります… 平和は何よりも神の賜物です」と語られ、さらに、イエスがこれに続いて、「私は、これ(平和)を、世が与えるように与えるのではない」と語られたのは、「主が私たちに与えられた、この世が知らない平和が聖霊ーイエスと同じ霊だということを意味しているのです」説かれた。

 そして「私たちの中におられる神の霊は、心を武装解除し、平静さで満たす、神の”平和の力”です。主が私たちに与える平和は、私たち皆が、敵ではなく、兄弟姉妹だということを、私たちに気付かせます… 私たちが平和の男と女となることができるように、私たちが赦し合い、新たに歩み始めるのを助けてくれるのは、主なのです」と念を押された。

 最後に教皇は、「私たちは絶えず、聖霊から平和の賜物をいただくようにしなければなりません。特に私たちが動揺したり、焦ったり、怒ったりするとき、主に平和の霊を求める必要があります」と促され、こう締めくくられた。

 「毎日、このように祈りましょうー『主よ、あなたの平安を、あなたの聖霊を、私にください』。そして、私たちの隣人、私たちが毎日、出会う人たち、そして世界の国々の指導者たちにも、これを願いましょう。聖母マリアが、私たちが聖霊を喜んで迎えるのを助け、私たちが平和を築くことができますように」。

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

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2022年5月22日