☩「和解は容易でない。それでも、希望を灯し続けよう」

(2018.12.10 バチカン放送)

 教皇フランシスコは9日, 日曜正午の祈りの説教で、神を信じる者たちのこの世界において果たすべき重要な役割について話され、キリストの降誕祭を準備する期間である待降節の第二の主日にあたるこの日のミサの福音朗読から、洗礼者聖ヨハネの使命を想起しつつ、聖ヨハネが人々に呼びかけた「回心の必要性」について強調され、次のように話された。

「親愛なる兄弟の皆さん、洗礼者聖ヨハネは救い主を迎えるためにその道を平らにし、整え準備するよう人々を招きました。

 主を迎えるための道を平らにし整えるとはどういうことでしょうか。それは、私たちの心から冷酷さや利己主義、無関心を取り除き、イエスご自身が持たれた心をもって人々に自分自身を開いていくことです。そのためには自分自身を謙虚に保ち、具体的に兄弟たちと和解し、自分自身の罪の赦しを心から願うことが必要です。

 和解を実現するのはそんなに容易なことではありません。神の愛を信じる者であるということ、それは、洗礼者聖ヨハネのように兄弟たちに心を開くために、いつも彼らの近くにとどまる、ということでもあります。この世のみじめな現状に遭っても、現実を拒否して逃避したり、自分自身の狭い世界に閉じこもるのではなく、決してあきらめることをせず、世のメンタリティーに流されることなく、各自の生活の中心に イエスご自身と、その光のみ言葉、愛、なぐさめを置くようにすることが肝要です。

 今日も、イエスの真の弟子たちは、イエスご自身の謙虚なまた同時に勇敢な証人として、何があっても神のみ国は毎日、聖霊の力によって建設され続けている、という希望を灯し続けるように招かれています。ですから、この世界をよりよく変えていくために私たちも何ができるか考えてみたいと思います」。

(編集「カトリック・あい」)

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2018年12月11日