(2022.8.9 Vatican News staff reporter)
教皇フランシスコは9日、同日の「世界の先住民族の国際デー」に向けたツイートで、先住民たちに激励のメッセージを送られた。
教皇はその中で、「皆さんの家族と地域社会に対する深く純粋な感覚は、なんと貴重なことでしょう。老いも若きも、絆をしっかりと育み、すべての被造物と、健全で調和のとれた関係を持つことは、なんと大切なことでしょう」と称えられた。
教皇は先日、カトリック教会が当時のカナダ政府の先住民同化政策に協力し、全土に設けられた寄宿学校で彼らの子弟たちに虐待を繰り返していたことに対する”悔悟”のカナダ訪問をされた。今回のツイートは、その訪問を踏まえたものだ。
「世界の先住民族の国際デー」は、先住民に対する世界の意識を高め、権利保護を促進するために、1994年12月の国連総会で創設が決められ、毎年8月9日がその日とされている。
今年のテーマは「伝統的な知識の保存と伝達における先住民族の女性の役割」で、国連のグテーレス国連事務総長は9日の声明で「誰一人取り残さない、公平で持続可能な未来を築くためには、先住民族の女性の声を大きくせねばなりません」と訴え、欧州連合(EU)外務・安全保障政策上級代表も、「先住民族の権利に関する国連宣言と、国際法にうたわれている先住民族の権利を尊重し保護する」という欧州の「確固たるコミットメント」を再確認した。
今年はまた、世界中の多くの先住民族の言語が置かれている危機的な状況に注意を喚起し、その保存、活用、促進のための行動を促す、国連の「先住民族言語の10年」の始まりの年でもある。世界では、現在、約7000の言語が使われているが、そのうち少なくとも4割は程度の違いはあれ消滅の恐れがあり、特に先住民族の言語は、その多くが学校で教えられていないか、公共の場で使用されていないことが多く、消滅の危機に瀕している。
(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)