☩「人類の戦争への執着は悲劇、恥ずべきことだ」ー東方教会省関係者たちとの会見で

教皇フランシスコと東方教会省関係者との出会い 2022年2月18日 バチカン宮殿教皇フランシスコと東方教会省関係者との出会い 2022年2月18日 バチカン宮殿  (Vatican Media)

 教皇はあいさつで、東方教会省の創設者である教皇ベネディクト15世(在位:1914-1922)の帰天から今年で100年を迎えることに言及。

 同教皇の回勅「デイ・プロヴィデンティス」を引用する形で、「イエス・キリストの教会は、ラテンでも、ギリシャでも、スラブでもなく、カトリックです。教会の子らの間にはいかなる分け隔てもなく、ラテン、ギリシャ、スラブ、そしてその他の国々の教会は、同じ重要性を持っています」と語られた。

 そして、「教皇ベネディクト15世が戦争を『無用の惨劇』と呼び、その野蛮さを非難されたにもかかわらず、第一次世界大戦に参戦する国々の責任者たちに聞き入られることはなかった。同じように、聖ヨハネ・パウロ2世がイラク戦争回避を訴えられましたが、当事者たちは顧みませんでした」と指摘。

 今も、シリア、イラク、エチオピアなど、各地で紛争が続き、「現在も、東欧にまで紛争の嵐が吹き、貧しい人々、無実の人々の心の叫びは置き去りにされています」と批判。「人類が戦争に執着していることは悲劇であり、恥ずべきことです。私たちは、このような振る舞いゆえに、神に赦しを祈らなければならなりません」と強く説かれた。

 教皇はさらに、様々な紛争や危機のために、多くのキリスト教徒が信仰の歴史ある土地を離れることを余儀なくされている現実にも触れられ、「祖国から各地に離散させられている人々の司牧に配慮し、様々な教会の伝統の豊さを尊重しつつ、調和ある一致を目指して欲しい」と総会参加者たちに求められた。

(編集「カトリック・あい」)

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2022年2月19日