☩「人は年老いても、なお実を結ぶ」7月24日「高齢者のための祈願日」を前に

教皇フランシスコとお年寄りたち教皇フランシスコとお年寄りたち  (Vatican Media)

(2022.5.10 バチカン放送)

 7月24日はカトリック教会の「祖父母と高齢者のための世界祈願日」だが、教皇フランシスコがその日を前にしたメッセージを発表された。を

 メッセージで教皇はまず、「年老いてもなお実を結ぶ」(詩編92章15節)という今年の祈願日のテーマについて、「高齢になった人生を諦め、未来の希望を感じない一部のお年寄りたち」への、「年齢にしばられた見方する傾向のある世界」への、福音と告げるもの、とされた。

 そして、現代の「切り捨ての文化」により高齢者など弱い人々を遠ざける傾向が強まっているが、「聖書が教えるように、長生きは一つの祝福であり、命を豊かに与える神の愛の生きたしるしです」と言明。「高齢者を守る家、祖父母を敬う家庭を、神が祝してくださるように」と願われた。

 ただ、「高齢は、理解の難しい人生の季節であり、生涯の長い歩みの後で、あたかも突然、現れるもののようでもあります」とされ、「高度に発達した社会は、高齢期のために多くを投資し、支援の計画を提供するが、老齢の意義を理解することは助けてくれません。老いを隠し、若さを装う努力はしても、老齢そのものの実りについては諦めているのです」と指摘しつつ、「高齢者たちは、自分を『無用な存在』と考えがちですが、人生のすべての季節においでになる神は、多くの問題を抱える高齢者にも命を与え続け、お見捨てになることはありません」と勇気づけられた。

 また、教皇は、高齢者たちに「自分を注意深く見つめ、内的生活を育み、霊的な観点からも活発な高齢期を送ることを学びましょう… 神との関係、そして家族をはじめ、人々との関係を築き、そこに愛情と配慮をもたらすように」と勧められた。

 さらに、「今日、世界は新型コロナウイルス感染の嵐に続いて、平和と発展を脅かす戦争を体験しています… この時代にあって、高齢者たちは世界を守るように召されているのです」とされ、「具体的な支援や祈りを通して、ウクライナや、アフガニスタン、南スーダンなどの子どもたち、まだ見たことのない、たくさんの”孫”たちを心に留めましょう…。そして、このような働きを通して、今日の世界で『優しさの革命』の担い手となるように」と促された。

(編集「カトリック・あい」)

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2022年5月12日