☩「スポーツ選手は寛大さと自己犠牲、固い信念と快活さの模範となれ」-文書発表を受けて

サッカー・ボールを祝別する教皇フランシスコ、バチカンの一般謁見で

(2018.6.1 バチカン放送)

 教皇フランシスコは1日、バチカンの「信徒・家庭・いのち省」長官、ケビン・ジョセフ・ファレル枢機卿に宛てた書簡で、スポーツが持つ豊かな精神的価値を強調された。

 教皇庁信徒・家庭・いのち省(長官:)が同日、スポーツと人間をキリスト教的視点から考察した文書「ダーレ・イル・メッリョ・ディ・セ(ベストを尽くす)」を発表したのを受けたもの。

 書簡の中で教皇は、スポーツの世界で教会が果たす役割を明らかにすると共に、スポーツが出会いと育成、宣教と聖化のための手段となることを示した同文書の発表に喜びを表わされた。

 そして「個人主義と切り捨ての文化が広がる今日、スポーツは、民族、性別、年齢、宗教、イデオロギーの違いを超えて出会い、互いに同じ目標に向かって励む喜びを体験するための、またとない環境を提供します」と指摘し、「お父さんと子どもが一緒に公園や学校で遊ぶ時、一人の選手が支えてくれた人々と共に勝利を祝う時、交わりと出会いの場としてのスポーツの価値を見出すことができるのです」と述べられた。

 また「スポーツは人間の成長に寄与するもの」とし、スポーツ選手らが若者たちに与える影響に言及。すべてのスポーツ選手たちに対して「寛大さと自己犠牲、固い信念と快活さの模範となり、チームワーク、尊重、健全な競争心、他者に対する連帯に貢献」するように願われた。

 「教会はこの世においてイエス・キリストのしるしとなるよう召されている」と説く教皇は、「キリストを直接告げることのできない所に、スポーツを通してキリストに導く道を開き、神に支えられて自己のベストを尽くすことを通して、いのちの充満と聖性へと向かうことができるように」と期待された。

信徒・家庭・いのち省がまとめた「ダーレ・イル・メッリョ・ディ・セ(ベストを尽くす)」は、5章、50ページからなり、見出しと構成は次の通り。(「カトリック・あい」英語公式全文“Giving the best of yourself: a Document on the Christian perspective on sport and the human person”はhttp://press.vatican.va/content/salastampa/en/bollettino/pubblico/2018/06/01/180601b.html でご覧になれます)

第一章:当文書作成の動機と目的 1.1当文書作成の動機 1.2今日までの教会とスポーツ 1.3当文書の目的

第二章:スポーツの現象 2.1近代スポーツの誕生 2.2スポーツとは何か 2.3スポーツの背景にあるもの

第三章:人間にとってのスポーツ 3.1身体、魂、精神 3.2自由、規則、創造性、協力 3.3個人主義とチーム 3.4努力 3.5喜び 3.6調和 3.7勇気 3.8平等と尊重 3.9連帯 3.10人生の究極の意味の追求へと開くスポーツ

第四章:福音の光に照らした挑戦 4.1人間的で正義あるスポーツ 4.2よいスポーツのための責任の分かち合い 4.3スポーツ発展のための4つの課題-身体に対する軽視-ドーピング-収賄-ファンと観客

第五章:教会の重要な役割 5.1スポーツにおける教会 5.2教会におけるスポーツ 5.3スポーツ司牧の環境 5.4スポーツにおける司牧者の養成 5.5スポーツを通した司牧計画のための基本要素

結び

(「カトリック・あい」が編集しました。

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2018年6月2日