☩「シノダリティ(共働性)は教会の本質を表している」教皇、ローマの信徒たちに

Pope Francis meets with the faithful of the Diocese of RomePope Francis meets with the faithful of the Diocese of Rome  (Vatican Media)TOWARDS THE SYNOD

*シノドスの旅の第一段階は

 シノドス・プロセスの最初の段階(2021年10月から2022年4月)は、個々の教区の教会に関するものだが、 「それが、私があなたの司教(ローマ司教)としてここにいる理由。ローマ司教区がこの旅に、確信を持って関わることが極めて重要だからです」とされ、「シノダリティ(共働性)は教会の本質、形、様式、使命を表現している。実際、『シノドス』という言葉には、私たちが理解すべきすべてのものが含まれているーそれは『共に歩く』ということです」と説かれた。

*使徒言行録

 教皇は新約聖書の使徒言行録を、「教会論の最初で最も重要なマニュアル」であり、それは、「エルサレムに始まり、長い旅の後にローマで終わる『道』について語っているからです」。そして、「この『道』は、神の言葉とその言葉に注意と信仰を向ける人々が共に歩むありさまを語っており、誰もが、その主人公なのです。時には、私たちが道を離れたり、方向を変えたり、あるいは、私たちが進むのを押しとどめ、共に動き、歩むのを妨げるような強い思いに打ち勝たねばならない必要があるかも知れません。それでも、誰も『余分な者』とは見なされないのです」と強調された。

 また教皇は、成長するキリスト教徒たちを組織化する中で、特に、貧しい人々の必要なものを提供することで生じる問題がある、とも指摘。問題を解決する方法として、使徒言行録から引用する形で、「弟子たちを集めて、食事や身の回りの世話に奉仕する『ディアコニア』に専念する男性を7人任命することを決めました」と語られた。

*教区の段階で

 話題をシノドス・プロセスに戻された教皇は、「この旅は、洗礼を受けた人々すべての声に耳を傾ける作業が必要なので、教区の段階が非常に重要になる」とされ、「そこには、指導者たちと家来、教える者と教えられる者、という教会のイメージを覆すために抵抗せねばならないことが沢山ある」とされ、「共に歩むことで、その道が”垂直”ではなく”水平”であることが分かります」と、シノドスの旅の意義を示された。

*sensus fidei

sensus fidei(ラテン語で「信仰の感覚」=「司教から最後の信者まで、信仰と道徳の問題で普遍的な同意を表す時の、民全体の信仰についての超自然的な認識」を意味するとされる)は、イエス・キリストの予言的権能についての尊厳をすべての人に与える」とされ、「それは、現在における福音の道が何かを識別するためのものです」とされ、「sensus fideiの行使は、これやあれのテーマ、教義の一側面、あるいは規範に関して私たちが持っているかも知れない意見の伝達と比較に矮小化されてはなりません」と強調された。

*すべての人のために

 続けて「私たちは、神の約束の受け手である『一つの偉大な人々』の一部であることを感じる必要があります。すべての人々のために神が準備された宴に誰もが参加する未来が開かれている」と説かれ、「 『神の民となること』さえ、排他的な特権だ、という考えにとらわれたままの”厳格”で敵対的な解釈学が存在する可能性があることを指摘したい。預言者がその意味を修正された『選び』は、それがどのように正しく理解されるべきかを示しています。『神の民』となることは特権ではなく、誰かがすべての人のために受け取る贈り物、私たちが他の人のために受け取った贈り物、責任なのです」と強く語られた。

 最後に教皇は「シノドスの旅では、『耳を傾けること』は、sensus fideiを考慮に入れる必要がありますが、私たちが期待しないところに具現化されたすべての”直感”を見逃すことのないように。”市民権のない直感”もあるかも知れませんが、それも有効です」とされたうえで、「私がここに来たのは、このシノドス・プロセスを皆さんが真剣に受け止め、聖霊が皆さんを必要としていること伝えるため。自分自身に耳を澄ませることで主の言葉を聴くように、誰一人も置き去りにしないようにしてください。これは、個々の参加しておられる方だけでなく、(注:時間と空間を超えた)教会全体にも当てはまります。仕組みを刷新すること、指示を与えること、黙想し話し合うことだけで、強められはしない。人々が共に歩むことを強く望んでいることに気づいて欲しい。さまざまな人々すべて、状態のすべてを内包するローマの一つの民は、その複雑さの中の大きな豊かさをもっているのです!」と訴えられた。

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

 

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2021年9月20日