☩「コロナ対策だけでなくコロナ禍で明白になった諸問題に向き合って」カトリックの国会議員たちに

教皇フランシスコと、国際カトリック国会議員ネットワーク会員らとの出会い 2021年8月27日教皇フランシスコと、国際カトリック国会議員ネットワーク会員らとの出会い 2021年8月27日  (Vatican Media)

 (2021.8.27 バチカン放送)

 教皇フランシスコは27日、バチカンで、国際カトリック国会議員ネットワークの会員たち約200人とお会いになった。

 冒頭のあいさつで教皇は、新型コロナウイルスの大感染に苦しむ現在の世界の困難な状況を取り上げ、多くの感染者や死者、経済・社会へのダメージをもたらしているこの危機について、ワクチンの製造・供給など、対応が進んでいることを指摘する一方で、「感染がもたらしている危機を克服するために、まだ多くの取り組むべき課題が残っています」と強調。

 現在のコロナ危機の中で、「世界の国会議員たちが果たすべき役割は極めて重要」とされ、「ウイルスに打ち勝つだけでなく、貧困、社会的不平等、失業、教育へのアクセスの欠如など、コロナ禍が浮かび上がらせ、拡大させた問題の根底にある原因と向き合うことが必要です」と説かれ、さらに、「共通善に奉仕し、自分個人の利害より皆の幸福を優先させる良い政治は、普遍的な兄弟愛と平和な社会のために欠かすことができません」と訴えられた。

 また、教皇は、今日のもう一つの取り組むべき課題として、「共通善のための技術の管理」を挙げ、科学・技術の進歩におけるリスクとチャンスについて、「倫理的な考察を深め、技術そのものの発展ではなく、人間の統合的発達と平和の推進を中心に据えた国内法や国際法の整備」に、国会議員として一層、努力するよう求められた。

 最後に、「新型コロナウイルスの大感染によって傷ついた世界を癒やし、技術を人類のために役立たせることができる受容性と持続性に富んだ未来のために、責任感ある市民と共に、共通善の原則に育まれた指導者が必要とされているのです」と自覚を促された。

(編集「カトリック・あい」)

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2021年8月28日