☩「ウクライナ戦争で国連は無力、大国は”力の論理”に支配されている」

(2022.4.6 Vatican News staff reporter)

 教皇フランシスコは、週末の訪問先のマルタでの般謁見で「『支配の論理』は、自国の利益を通すための最も強力な国家戦略」と述べておられたが、6日、水曜恒例の一般謁見で、ロシアのによるウクライナ軍事侵略が続く中での「国連の無力」を非難。「第二次世界大戦後の永続的な平和確立の努力にもかかわらず、大国間の力の争いという”過去の話”がいまだに続いている」と批判された。

 教皇は、「現在続いているウクライナでの戦争で、私たちは、国連という国際機関の無力さを目の当たりにしています」と、先のマルタ共和国訪問で確認された「マルタが欧州とアフリカに挟まれた戦略的な場所にあり、世界中の人々が出会う場所になっている」ことを説明する中で語られた。

 そして、豊かな歴史と文明をもつマルタは、尊敬、自由、平和共存に関して私たちの世界を特徴づけるあり方を示しているが、「世界では、強力な植民地化の考え方が、今でも支配的になっている」と指摘。

 使徒言行録に記された、乗っていた船が難破し、マルタに上陸した使徒パウロが住民に「尋常でない優しさ」で歓迎された場面を思い起こされ、進むべき道を示す方法として「尋常でない優しさで」という言葉を選んだ、とされ、「このような振る舞いは、避難民に対してだけでなく、友好的で住みやすい世界を作り出す優しさにもつながっている。それが、”同じ船”に乗っている私たち全員が直面する”難破”の危険から私たちを救うのです」と強調された。

 

このエントリーをはてなブックマークに追加
2022年4月6日