☩「ウクライナに平和をー3月2日を祈りと断食の日に」教皇、世界の信徒たちに呼びかけ

ウクライナへ侵攻するロシア軍の戦車(2月24日、「アルジャジーラ」より)

 教皇フランシスコは23日、水曜恒例一般謁見の中で、3月2日の「灰の水曜日」を、ロシアの軍事攻勢で風雲急を告げているウクライナに平和がもたらされるための「平和のための断食の日」とすることを、世界の信徒たちに呼びかけられた。

 ロシアのプーチン大統領は、ウクライナ東部二州の新ロシア派支配地域を「人民共和国」と一方的に認知したうえ、24日には「ウクライナを無力化する」と宣言、ロシア軍が国境を突破し、ミサイルや戦車などによる空港や軍事施設への攻撃を開始、早くも民間人を含む多数の死者を出している。

 教皇は、ウクライナに差し迫っている戦争の脅威が「私の心に大きな痛みを引き起こしています」と語られ、ウクライナの平和を心から訴えられた。

 そして、「ここ数週間の関係国の外交努力にもかかわらず、ますます憂慮すべきシナリオの可能性が高まっています。このことに、ウクライナの人々だけでなく、世界中の多くの人々が苦痛と苦痛を感じています。またしても、平和が、特定の利益によって脅かされます」と強調。

 「戦争の神ではなく、平和の神、私たちを敵同士ではなく兄弟にしたいと願う、すべての人の父である神の前で、真剣に良心の糾明をし、それに従って行動せねばなりません」とこの危機の打開に政治的責任を持っている人々に訴えられた。

 さらに教皇は、ロシアをはじめこの問題に関係するすべての当事者が「国民にさらなる苦痛を与え、国家間の共存を不安定にし、国際法への信頼を損なうような行動を控えること」を祈られた。

 そのうえで、教皇は、世界の信徒たちに向けて、3月2日の「灰の水曜日」を「平和のための断食の日」とすることを提唱。「私は世界の信徒の皆さんに、この日に、祈りと断食に努めてくださるようにお願いします」と求められ、「平和の女王、聖母マリアが、世界を戦争の狂気から守ってくれますように」と祈られた。

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

このエントリーをはてなブックマークに追加
2022年2月23日