☩「ウクライナに”イースター休戦”を」教皇が提唱ー受難の主日正午の祈りで

Destruction caused by war in UkraineDestruction caused by war in Ukraine  (AFP or licensors)

(2022.4.10 Vatican News  Deborah Castellano Lubov)

    教皇フランシスコは10日、受難の主日の正午の祈りに先立って、ロシアの軍事侵略で多数の人が虐殺され、荒廃したウクライナでの戦闘の即時停止と和平に向けた交渉を強く訴えられ、「武器を置こう!イースターの休戦を始めよう」と関係国の指導者たちに呼びかけられた。

 教皇は、「私たちが正午の祈りで祝福された聖母に目を向けるとき、主の天使が受胎告知の際に、マリアにどのように言ったかを思い起こす必要があります」とされ、その言葉のように、「神にとって、不可能なことは何もありません」と強調。

 さらに、「主は、終わりが見えない戦争、無防備な民間人に対して犯された凶悪な虐殺と残虐な行為を、私たちに日々苦しみを与える戦争に終止符を打つことさえできるです」とされ、この日に始まった聖週間に、それが実現するように祈るよう、信徒たちに求められた。

 そして、聖週間は、罪と死に対する主イエス・キリストの勝利を祝う準備の期間であること、「その勝利は、誰かに対するもの、自分以外の誰かに対するものではない」ことも指摘された。そして、「今起こされている戦争で、なぜ、世俗的なやり方で、勝とうとするでしょうか。それは、敗北のための唯一の方法なのです。どうして、主に勝たせようとしないのでしょうか?キリストは、私たちを悪の支配から解放するために、十字架を負われました。キリストが十字架上で亡くなられたのは、それは命、愛、そして平和がこの世に君臨するためなのです」とされ、「武器を置きましょう!イースター休戦を始めましょう」と訴えられた。

 また、戦闘の停止は、「より多くの武器を準備し、戦闘を再開するためのものではない」と念を押され、必要なのは「真の交渉を通じて平和につながる停戦であり、国民の利益のためにいくらかの犠牲を払うことさえ厭わないもの」と強調。

 「実際、瓦礫の山に旗を立てることで、どのような勝利がえられるのか?」と問いかけられ、「神にとって不可能なことは何もありません。私たちは聖母マリアの執り成しを通して、そのことを神に委ねます」と述べた。

 また、教皇は、「社会的緊張の困難な状況」にあるペルーの人々についても言及され、「私はあなたがたのために祈ります。すべての当事者が国々の利益、特に最貧国の利益のために、すべての人と機関の権利を尊重し、可能な限り速やかに平和的な解決策を見つけることを求めます」と語られた。

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

 

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2022年4月10日