☩「夏休みの機会に、福音書のイエスの言葉にゆっくりと耳を傾けよう」年間第16主日・正午の祈りで

(2022.7.17 Vatican News  Francesca Merlo)

  教皇フランシスコは17日、年間第16主日の正午の祈りの説教で、この日のミサで読まれたルカ福音書の箇所(10章38-42節)を取り上げ、なぜ、イエスの言葉に耳を傾けることを、私たちがいつも最優先せねばならないか、について説明された。

  この箇所では、マルタとマリアがイエスを家に迎え入れた場面が語られている。妹のマリアが主の足元に座って、その話を聞いている。姉のマルタはもてなしのために忙しくしていたが、そのようなマリアを見て、イエスに、「マリアに手伝うように言ってください」と頼む。

 教皇は「このようなマルタの訴えは、場違いには思えません。実際のところ、私たちも彼女の言うとおりだと感じるでしょう」とされたうえで、「しかし、イエスは、こう答えますー『マルタ、マルタ、あなたはいろいろなことに気を遣い、思い煩っている。しかし、必要なことは一つだけである。マリアは良いほうを選んだ。それを取り上げてはならない』と」と指摘。

 そして、「マルタの”哲学”では、義務が第一で、喜びは第二であるように、思われます。『もてなし』は義務であり、客人が『歓迎されている』と感じるために必要なことは何でもすることを含みます」と述べ、「イエスはこのことをよくご存じです。マルタの努力を認めておられるのですが、優先順位に新しいつけ方があることを、彼女に理解させようとされました」と説かれた。‎

 さらに、「マリアは、イエスに対してせねばならない”より良いこと”があると、最初に気付きました」と語られ、「他のすべては、その後に来ます。”より良いこと”とは、『イエスの言葉を聞くこと』なのです」と強調された。‎

 また教皇は、‎「イエスの言葉は抽象的なものではなく、他の人の人生に触れ、形作り、変え、悪への鈍感さから解放し、過ぎ去ることのない喜びを注ぎ、満たす教えです。それが”より良いこと”です」とされ、「マリアがそれを優先するのはこのためです。彼女は立ち止まって耳を傾け、残りのことは後で来るでしょう」と説かれた。‎

 ‎ 説教の最後に教皇は、信徒たちに、「この夏休みのシーズンを利用し、立ち止まってイエスに耳を傾ける」機会を持つように促された。

 教皇は、「現代では、静かに祈り、思いめぐらす自由な心の時を見つけることは、以前よりも難しくなっている。その中で、夏休みは福音書を開き、ゆっくりと読む貴重な機会となります」。

 そして「福音書のページから”挑戦”を受け、私たちの人生がどうなっているのか、イエスのおっしゃることと一致しているかどうかを、自問しましょう。特に、一日の生活をを始める時、私はなすべきことに真っ向から取り組もうとするのか、それとも、まず、神の言葉に霊的助言を求めるのか、自問しましょう」と提案された。‎

‎ 締めくくりに、教皇は「私たちから決して奪われることのない最良のものを選ぶように、教えてくださいますように」と聖母マリアに祈られた。‎

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

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2022年7月17日