◎教皇連続講話「識別について」最終回「識別の教師としての聖母マリアに目を向けよう」

 (2023.1.4 Vatican News staff reporter)

*霊的な伴奏”

 教皇フランシスコは4日の一般謁見で、昨年8月から続けて来られた「識別について」をテーマとする連続講話の最終回を、「識別は、私たちの人生に対する主の御心についての健全な理解を得る手順。この手順において私たち一人一人の助けとなる要素の 1 つが、”霊的に共に歩むこと”です」という言葉で締めくくられた。

 教皇はまず、神の恵みについて「神の恵みは常にあるがままの私たちに働きます。ですから、裁かれることを恐れて、私たちの最も脆い、あるいは敏感な側面をさらすことをためらうべきではありません」とされ、「ある意味で私たちの脆さは、実際には『真の豊かさ』になり得るのです」と指摘。「聖霊に従順であれば、”霊的に共に歩むこと”は、私たちと主の関係を考える上での誤解、重大な誤解を明らかにするのに役立ちます」と説かれた。

*神の恵みが働いている

さらに教皇は、「私たちが心の中で聖霊の動きを他の人と共有し、それによって自分自身の弱さに立ち向かう霊的な導きが、私たちを主に引き寄せるのにいかに役立つか」について語られ、「私たちはしばしば、人生で真に進むべき方向と、霊的に進むべき方向を伴った神の恩寵の私たちの心の中での静かな働きを、よりはっきりと識別することができます」と述べ、イエスとの出会いの中で、心を開き、憐れみと赦しを経験した多くの人々のことを、私たちが福音書の中で、どのように読んだかに注目された。

 そして、「識別の手順を踏むことが、私たちが驚きをもって、自分自身についての異なった物の見方ー自分の中に常にある善なるもののしるしーを見つけるのを助け、私たちが目にする否定的な側面にばかり注意を払う傾向に打ち勝つ助けになるのです」と語られた。

*共に旅をする

結論として教皇は、「”私たちは、キリストの体の一部であり、御父の息子と娘であり、聖霊の命にあずかる者であるであり、それゆえに、”霊的に共に歩むこと”が、完全への私たちの旅の共同体的性質をいかに反映することができるか。そのためには、私たちは”旅する共同体”の一員になることが不可欠であり、自分だけで歩もうとしないことが重要です」とされ、「識別の教師として、私たちは聖母マリアに目を向けることができます。マリアは私たちをイエスに導き、恐れるのではなく、イエスとイエスの永遠の命の言葉を信頼するよう、強く勧めるのです」と締めくくられた。

*ウクライナを忘れない

 教皇フランシスコは、一般謁見の最後に、使徒的祝福を授ける前の言葉の終わりに、世界のすべての人に対して、戦争で荒廃した ウクライナに住む人々と「愛情のこもった親密さと連帯」を堅持するよう促され、「ウクライナの人々の苦しみ、特に子供たちが心身に受けている傷を思い起しつつ、彼らのためにたゆまぬ祈りを捧げましょう」と呼びかけられた。

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條 俊二)

 

 

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2023年1月5日