◎教皇連続講話「老年の意味と価値について」⑧「信仰の恵みを次の世代に伝えるために、最後まで実践が必要」

Pope Francis at the weekly General AudiencePope Francis at the weekly General Audience  (Vatican Media)

 

*グノーシス主義の誘惑

 教皇また、今日でも若者を誘惑し続けている異端思想、グノーシス主義(1世紀に生まれ、3世紀から4世紀にかけて地中海世界で勢力を持った。『グノーシス』は、古代ギリシア語で『認識・知識』を意味し、自己の本質と真のについての認識に到達することを求める。物質と霊の二元論に特徴がある)に言及された。

 「グノーシス主義は、信仰を霊性、あるいは知性の力だけのものと考え、日々の生活の現実との関係を持たない… 確かに、これは非常に人を惹きつける思想です。『信仰は、食事規定や社会的慣行などに帰着できない』という明白な解釈をするからですが、グノーシス主義は、キリスト教の信仰を刹那的な信念にしてしまうか、あるいは真の証しを無いものにしてしまいます」と警告。「私たちのキリスト教の信仰は、常に、神の子の顕現を経験せねばなりません」と説かれた。

*年配者の使命は、信仰の誉れと取り戻すこと

 最後に教皇は、「現代社会は、信仰の実践を過小評価しています、『信仰は、年寄りがやっているものだ』というような”文化的”なあてこすりする」が、「年配者には、『信仰の名誉を取り戻す』という重要な使命があります。なぜなら、信仰は『弱さ』ではなく、『強さ』のしるしだからです」と強調され、次のように締めくくられた。

 「信仰は尊敬と名誉に値するものです。私たちの人生を変え、考え方を清め、神を崇敬し、隣人を愛することを教えてくれます。信仰はすべての人にとって恵みなのです!」

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

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2022年5月4日