◎教皇連続講話「老年の価値と意味について」⑬「年配者は神の優しさと知恵、愛のメッセンジャー」

Pope Francis' arriving at weekly General AudiencePope Francis’ arriving at weekly General Audience  (ANSA)

(2022.6.8 Vatican News  Deborah Castellano Lubov)

   教皇フランシスコは8日、水曜恒例の一般謁見で「老年の価値と意味」についての連続講話をお続けになり、今回は、ヨハネ福音書のイエスとニコデモの出会いの箇所(3章1-21節)を考察された。

 そして、「(ニコデモのように)年配者は、優しさと知恵、愛のメッセンジャーなのです」と強調。年配者と祖父母の優しさを思い起こされ、「神はそのような方。神は、相手に心地よく接する方を知っておられます」と語られた。

*「新たに生まれなければ、神の国を見ることはできない」

 福音書の中で、イエスはニコデモに「人は、新たに生まれなければ、神の国を見ることはできない」(ヨハネ3章3節)と語られている。

 教皇は、「ここでイエスが言っておられるのは、私たちの地上での生活の価値を否定するのではなく、地上での生活を、永遠の命と天国の喜びを得るという目的に向けなさい、ということ」とされ、「”永遠の若さ”の神話を必死に追い求める私たちの現代は、イエスの言われるこの真理を学びなおし、人生のあらゆる段階を、私たちが造られた目的である永遠の幸せを得る準備の時だ、と知る必要があります」と説かれた。

*私たちの中におられる神を証しする

 さらに教皇は「年配者は、その信仰、知恵、経験を通して、『私たちの中におられる神の王国の存在』と、『キリストと聖霊によって始められた新たな創造』の中で私たちを待っている『真の”永遠の若さ”』の前触れとして『私たちが地上に存在する本当の意味』を説得力をもって証しすることができるのです」と語られた。

 そして、老いることの素晴らしさを強調され、 「老いるとは、目的地に向かって、神の国に向かって進んでいことです… ですから、老年期は、私たちの未来を、生物学的、機会人間的な生存の幻想から切り離す、特別な時期なのです。なぜなら、神の創造的で命を作り出す胎の優しさに、私たちを開くからです」とされた。

 最後に、教皇はこのように祈られたー「聖霊が、私たちに、上から生まれた方と和解させる老年期の霊的、文化的使命の再開を賜物として与えてくれまるように」と祈られた。

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

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2022年6月8日