◎教皇連続講話「祈りについて」⑭「神の恩恵によってキリスト教一致は実現する」一致祈祷週間に

 

(2021.1.20 Vatican News Devin Watkins)

   教皇フランシスコは20日、水曜恒例の一般謁見で、「祈りについて」の講話を続けられ、今回は、現在進行中の「キリスト教一致祈祷週間」をテーマに取り上げ、不一致を克服し、和解の種を蒔くように、とのイエスの勧めを考察された。

 まず教皇は、イエスが弟子たちに「一致するように」と命じるのではなく、「一致するように」と祈られたことに注目、「このことは、私たちは自分の力で一致を無く遂げることはできない、という事を意味します。一致は”、祈りを通して願われる“贈り物”、恩恵なのです」と説かれた。

*内的な葛藤

 使徒パウロが書いているように、私たち一人一人は、自分自身の中で痛みを伴う葛藤-善を強く望んでいるが悪に傾いてしまうこと-を経験している。 教皇は「私たちの内部対立は、『真の解決策は、平和、和解、一致を神に求めることで、もたらされる』ということを思い起こさせます」るもの」と述べた。 また教皇は、「イエスは、父に『すべての人を一つにしてください』(ヨハネ福音書17章21節)と祈られました。一致を求める私たちの祈りは、このように謙虚で、主の祈りに信頼して参加するものです」とされた。

 *外的な苦難

 そして教皇は、信徒全員に、私たちがどれほどキリスト教徒の一致を祈っているか、顧みるように求め、 「現在の深刻な危機の時にあって、この祈りは、一致が対立、葛藤を克服するために、従来以上に求められています… キリスト教徒は、目に見える一致の道を追求する必要があります。それは、私たちが「自分たちを一致させる愛」を証しすることによってのみ、世界はキリストを信じるからです」と強調。

*一致のために戦う

 「祈ることは、一致のために戦うことを意味し、他の人の欠陥や間違いを誇張することで不和や分裂を引き起こそうとする悪魔の業と戦うことを意味します」とされた教皇は、「神が私たちに与えてくださった『祈りと愛』という道具を使って、私たちの家や職場に一致の種を蒔くように」と促された。

*キリストの愛の中で

  最後に、教皇、今年のキリスト教一致祈祷週間のテーマ、「私の愛にとどまりなさい。そうすれば、あなたがたは豊かに実を結ぶ」(ヨハネ福音書15章5-9節参照)を考察された。

 「霊的交感と愛の根源は、キリストー私たちが偏見を克服し、他者の中にいつも愛されている兄弟姉妹を見るようにされる方ーにあります… 一致を求めることで、私たちは、他の宗派のキリスト教徒が神からの賜物だということを知ります」とし、 「彼らのために、そして可能であれば彼らと一緒に祈ることを始めましょう… そうすることで、私たちは彼らを愛し、理解することを学ぶのです」と締めくくられた。

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

 

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2021年1月20日