◎教皇連続講話「祈りについて」⑧愛は、信じる人たちの生活の神秘的な根幹

Pope Francis gives the blessing at the end of the General AudiencePope Francis gives the blessing at the end of the General Audience  (Vatican Media)

(2020.11.25 バチカン放送)

  教皇フランシスコは25日、水曜恒例の一般謁見で、「祈りについて」の講話をビデオ中継で続けられた。

 「彼らは、使徒の教え、相互の交わり、パンを裂くこと、祈ることに熱心であった」(使徒言行録2章42節)。教皇はこの使徒言行録の記述に、教会生活の4つの本質ー「使徒の教えに耳を傾けること」「相互の交わりを大切にすること」「パンを裂くこと」「祈ること」が示されている、と指摘。

 このことは「教会はキリストと固く結びついてこそ、存在の意味があることを、私たちに思い起こさせます」とされ、師イエスの言葉と行いを証しする説教と要理教育、利己主義や排他主義を防ぐ兄弟的交わり、私たちの間におけるイエスの現存を秘跡として実現するパンを裂く行為、そして、イエスを通し、聖霊において、御父との対話の場をもたらす祈りを、「教会生活の柱」として示された。

 そして、「使徒言行録を読むと、祈りのために集うことが、福音宣教の大きな原動力となっていたことが分かります… そこで、人々はイエスの生きた現存を体験し、聖霊の力に触れることができたのです」と語られた。

 さらに、「初期のキリスト教共同体のメンバーは、今日も同じですが、イエスとの出会いの物語はイエスの昇天で終わったわけではなく、彼らの人生においてずっと続いていることを感じていました… 主が言われたこと、行われたことを語り継ぎ、イエスとの交わりに入るために祈ることで、その体験は生きたものとなり、祈りは光と温かさを広げ、聖霊の恵みは彼らの中に熱意を生み出していったのです」と話された。

 「祈る教会にキリストのことを思い出させてくださる聖霊が、教会をすべての真理に導き、教会活動や秘跡、また宣教活動の中で働いておられるキリストのはかり知れない神秘を表す、新たな祈りを生み出させてくださいます」と、「カトリック教会のカテキズム」(2625)にあるように、「教会における聖霊の働きは、イエスを思い出させることにあります」と強調。

 「こうして初期の教会活動は、キリストの記念、集まり、祈りの時間といったリズムに刻まれ、そこで聖霊は、『イエスの愛のために海を渡り、危険や人々の侮辱に遭うことを受け入れ、旅に出る宣教者』に力を授けていたのです」と語られた。

 また、「神は愛を与え、愛を求められるーこの神秘に、信者の全生活は根差しています」とされ、「私が今、肉において生きているのは、私を愛し、私のために身を捧げられた神の子に対する信仰によるものです」というガラテヤの信徒への手紙2章20節を引用された。

 最後の教皇は、「祈りに時間を捧げることを恐れないすべてのキリスト者は、聖パウロのこの言葉のすべての真理を、礼拝の沈黙を通して味わうことができるでしょう」と締めくくられた。

 

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2020年11月25日