◎教皇連続講話「堅信の秘跡」②祈り、按手、そして塗油を通して聖霊のしるしを受ける

教皇フランシスコ、5月30日、バチカン・聖ペトロ広場での一般謁見

(2018.5.30 バチカン放送)

 教皇フランシスコが30日、バチカンで水曜恒例の一般謁見を行われ、謁見中のカテケーシスで「堅信の秘跡」についての講話を先週に続いてなさった。堅信とキリスト教入神の秘跡全体との緊密なつながりに光を当てながら、次のように解説された。

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 (幼児洗礼を受けた人は)洗礼の恵みを強め、確かなものとする霊的な塗油を受ける前に、堅信を受けようとする時、幼児洗礼を受けた際に両親や代父母が行った約束を、今度は自分自身で新たにするよう求められます。

 堅信を受ける人は、特に聖霊を信じることをはじめ、司教からの問いに「信じます」と答え、教会の信仰を宣言します。

 聖霊の訪れには、祈りの心が必要です。共同体の静かな祈りの後、司教は受堅者に按手して、「パラクレートス(助け手)」である聖霊を吹き込んでくださるよう神に祈ります。

 聖霊は唯一つですが、私たちのもとを訪れる時、預言者イザヤが語る(11章2節)ように、「知恵と識別、思慮と勇気、そして主を知り、畏れ、敬う」という豊かな賜物をくださいます。また聖パウロは、霊の結ぶ豊かな実は「愛であり、喜び、平和、寛容、親切、善意、誠実、柔和、節制」(ガラテヤの信徒への手紙5章22節)と語っています。唯一の聖霊は様々な賜物を分け与え、唯一の教会を豊かなものとしてくださいます。聖霊は、多様性の作者であると同時に、一致の創造主なのです。使徒たちから伝承されたように、洗礼の恵みを完成する聖霊は、按手を通して伝えられます(使徒言行録8章15-17節、 19章5-6節、 ヘブライ人への手紙6章2節)。

 聖霊の賜物が与えられることを、いっそう良く表すために、「按手」という聖書的な行為に「クリスマ」と呼ばれる香油の塗布が加えられました。塗油の儀式は今日まで、東方教会にも西方教会にも伝えられています(「カトリック教会のカテキズム」1289項参照)。油は、治癒や美容の成分を持ち、傷を癒し、手足を香りづけます。このため、油は聖書や典礼のシンボルとして、受洗者を聖化し、浸透しながら、様々なカリスマによって美しくするものとされるのです。

 堅信の秘跡は、司教が受堅者に按手して、「父の賜物である聖霊のしるしを受けなさい」と言いながら、聖香油を額に塗布することで授けられます。聖霊は施された目に見えない賜物であり、聖香油はその目に見える証印です。額に十字架のしるしと共に聖香油を受けることで、受堅者は消えない霊的なしるしを受けます。そのしるしの性格は、その人をキリストによって完全な似姿とし、人々の間に「よい香り」(コリントの信徒への手紙2・2章15節参照)を漂わせる恵みを授けます。

 聖アンブロジオは、次ように信者たちを招いています-「霊的な証印を押されたことを思い出しなさい…受けた賜物を守りなさい。神である父は、あなたに証印を押し、主キリストは、あなたを堅固にし、保証として、あなたの心に霊を与えてくださいました」。

 聖霊を、身に余る贈り物として感謝して受け入れ、その尽きることのない創造性に道を空けねばなりません。「現代の世界でイエス・キリストを映す」(使徒的勧告「GAUDETE ET EXSULTATE(喜びなさい、大いに喜びなさい)-現代世界における聖性への呼びかけ」23項)ために、この賜物を大切に守り、その燃えるような慈愛によって、蝋のように成形されねばならないのです。

(「カトリック・あい」が修正・編集しました)

 

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