◎教皇連続講話「使徒言行録」最終回「使徒たちの宣教は、今もなお、私たちの手で続けられる」

教皇フランシスコ、一般謁見教皇フランシスコ、15日の一般謁見  (Vatican Media)

(2020.1.15 バチカン放送)

 教皇フランシスコは15日の水曜一般謁見でのカテケシス(教会の教えの解説)で、今回が最終回となる「使徒言行録」についての講話をされ、使徒聖パウロの殉教前のローマでの宣教活動について次のように話された。

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 使徒言行録を記した聖ルカはパウロのローマでの最後の様子を詳しく書き残してくれました。聖パウロは囚われの身ではありましたが、一軒の家を与えられ兵士の監視付ではありましたが、自由に神のみ言葉、福音を伝えることが出来ました。

 神の言葉に耳を傾けようとした多くの人々がパウロのもとを訪れました。パウロは家から出て自由に動き回ることは出来ませんでしたが、訪れる人々に話すことは全く自由でした。パウロの言葉を鎖で縛り付けることはできなかったのです。パウロの言葉は、多くの人々の心に、神の御言葉の種子をまき続けました。

 聖パウロのローマでの家は教会を象徴したいます。いかに誤解されようとも、偏見を持たれようとも、神を求め、福音に耳を傾けようとする、あらゆる人々に、教会は常に大きく開かれています。教会は、イエス・キリストにおいてその具体的な姿を示された神の愛を、すべての人々に伝えるために、いつも母親の心をもって、どんなに疲れていても、あらゆる人々を受け入れ続けているのです。

 聖ルカは、使徒言行録の「使徒たちの宣教」を「パウロの殉教」ではなく「パウロの宣教」で締めくくります。「使徒たちの宣教」が、今日もなお福音の旅路を続けていることを示唆しているようです。

 私たちはこの数か月、「良き知らせ」が世界中に広がっていく経過をたどってきました。「私たち1人ひとりが、勇気ある、喜びに満ちたキリストの宣教の使徒となるように」との呼びかけを、新たにしてくださるように、聖霊に願いましょう。そうして、パウロの足跡をたどる私たちが、この世界を、福音で満たし、私たちの共同体を、全ての人が復活された主と出会うことのできる場としますように」

(編集「カトリック・あい」)

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2020年1月16日