◎教皇連続講話「世界を癒やす」⑤”新型コロナ大感染”後の社会再建に必要なのは「連帯」

(2020.9.2 Vatican News  Devin Watkins)

教皇フランシスコは2日、聖ペトロ広場に集まった人々に直接対面する形での、水曜恒例の一般謁見を再開。「世界を癒やす」をテーマにした連続講話を続け、新型コロナウイルスの世界的大感染が終息した後の世界の中で、大感染が起こした社会的な様々な病弊を癒すためには、本物の連帯を信仰の徳を結合させる必要がある、と強調された。

講話の中で、教皇は、まず、コロナ禍でこれまで“screen-to-screen”を余儀なくされていた水曜恒例の一般謁見を、信徒たちとの”face-to-face”に戻すことについて、喜びを表されたうえで、新型コロナの大感染は私たちが、良くも悪くも、いかに互いに依存する関係にあるか、ということを再認識させた、と指摘。それゆえ、「連帯」が、「以前よりももっと良くなる形で、この危機から立ち直るための鍵になる」と説かれた。

そして、「すべての人は、神に共通の期限を持っており、”共通の家”-神が私たちを置かれた園である星ーに共に住み、キリストにおいて共通の目的地を持っています… しかし、このことをすべて忘れた時、私たちの『互いに依存する関係』は、他の人への『(注:一方的な)依存の関係』となり、不平等と差別を加速させ、社会組織を弱体化させ、環境を劣化させてしまいます」と警告。

 さらに、「連帯」という言葉は、少々陳腐で誤解されているだが、この言葉は、「散発的に寛容な行為をする」ということ以上の意味を持っている、と指摘。「連帯」は「共同体の観点から考え、少数の人々による物の収奪ではなく、すべての人の命を優先する考え方をもたらす」とされ、そして、それ以上に、「連帯」は「正義なのです」と強調。健全で実り多い相互依存は「神が創造された人類と自然に強い根を持つ必要があります。それぞれの顔を持った人々とこの地に敬意を払うものでなければなりません」と訴えられた。

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

 

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2020年9月2日