◎教皇連続講話「ガラテヤの信徒への手紙」⑫ 「自由は神の愛に生まれ、無償の愛の中で育つ」

Pope Francis at the General AudiencePope Francis at the General Audience  (Vatican Media)

*他者のための自由

 さらに教皇は、「聖パウロにとって、愛は『自分が好きなようにすること』を意味しません。単に自分自身を喜ばせるために行動するなら、私たちは虚しさに気づきます。自由は豊かで、偽りがない、他者のために使われる場合にのみ、実際の日々の生活に関わります」とし、「聖パウロは『すべてのものは合法である』と認めていますが、『すべてのものが、有用、あるいは啓発的であるとか限らない』とも語っています。『自己奉仕の自由』という考えに対して、聖パウロが『愛の求め』を置きます。愛に導かれる自由は、私たち自身と他者を自由にする唯一のものです」と語られた。

 

*共通善

また、「私の自由はあなたの自由が始まるところで終わる」という現代的な考えに対して、聖パウロはキリスト教の自由、つまりイエスによって与えられた自由を考えている。それは、自己を他者と分けず、共同体社会を構成する一部であり、そうした社会的側面はキリスト教徒にとって基本的なもの。それが、私益ではなく公益に目を向けることを可能にします」とされ、このような自由についての理解は、「新型コロナウイルスの世界的大感染が『お互いをどれだけ必要としているか』を私たちに痛感させた今、特に重要です」と説かれた。

 

*無償の愛の中で自由は成長する

 そして教皇は、「そのような理解だけでは十分ではありません。私たちは日々、具体的にそれを選ぶ必要があります」として、こう締めくくられた。「他者は、私の自由を妨げない、自由を完全に実現するのを可能にするのだ、と口にし、信じましょう。なぜなら、私たちの自由は神の愛から生まれ、無償の愛の中で成長するからです」。

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

 

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2021年10月20日