(2021.12.22 Vatican News Christopher Wells)
教皇フランシスコはクリスマスを目前に控えた22日水曜日の一般謁見での講話で、イエスの誕生について、「この出来事は、神が、何の価値もない私たちを第一に愛してくださっていることを思い起こさせてくれます」と語られた。
教皇は講話でまず、福音書のベツレヘムでのイエス誕生における登場人物、マリアとヨセフ、謙虚な羊飼い、そして豊かで力のある東方の三博士に注目され、「ここに込められた福音書のメッセージははっきりしていますーイエスの誕生は、全人類に関わる世界的な出来事だ、ということです」と指摘。
羊飼いの謙虚さだけでなく、生まれたばかりのユダヤ人の王を見つけ、あがめ、人となられた神の子を確かめるために、長く困難な旅をしてきた異邦人の賢者たちの宗教的な探求心にも、目を向けつつ、「私たちが、神に立ち至り、人生の本当の意味ー命を生きる価値があることの理由ーを知ることができるのは、謙遜を通してだけなのです」と説かれた。
そして教皇は、「親愛なる兄弟姉妹の皆さん、私はすべての男女を、人となられた神の子をあがめるために、ベツレヘムの馬小屋に招きたいと思います」とされ、「すべての人は、神を求めるように呼ばれています。神の恵みによって、恵みを通して、すべての人が神を見つけることができるのです」と強調。
世界中の男女が人となられた神の子をあがめるためにベツレヘムの馬小屋に集まるように、と招きつつ、「まず第一に、私は、貧しい人たちー飢えた人、喉が渇いた人、故郷を追われた人、着るものもない人、病気の人、監獄に入れられている人ーを考えます」と語られた。
さらに、第二バチカン公会議にならって、「宗教を探求している人、宗教に反対して戦っている人に寄り添う」ことに強い希望を示され、この公会議によれば、「神を認めることは、人間の尊厳に敵対することでは全くない。なぜなら、人間の尊厳は、神に根差し、神において全うされるからです」とも語られた。
最後に、教皇は、イエスがベツレヘムでお生まれになったことを羊飼いたちに告げた天使の言葉ー「地には平和、御心に適う人にあれ」ーに立ち戻られた。
また愛は、「私たちが神を愛したからではなく、神が私たちを愛されたこと、神が最初に私たちを愛されたゆえに、私たちが愛すること」にある、とされ、「これが私たちの喜びー何の価値もない私たちが愛されていること、神が肉をまとわれ、私たちの中で生きるためにおいでになったほどに確固たる愛で、いつも私たちが愛されていることを知る喜びーの所以です」と強調。「イエスは、神の愛の『名』であり『顔』、そしてイエスは私たちの喜びの根幹です」と講話を締めくくられた。
(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)