・エチオピア北部でも内戦激化、死者多数―教皇、政府、反政府勢力双方に敵対行為の停止を訴え

(2026.9.30 Vatican News   Alessandro Di Bussolo)

 

 エチオピア北部のティグレ州で政府軍と反政府武装勢力TPLFの停戦合意が破られ、同州周辺地域にも戦闘が広がり多くの死傷者が出ている。教皇レオ14世は9月30日の水曜恒例一般謁見で、この問題を取り上げ、すべての当事者に対し、直ちに敵対行為を止めるよう呼びかけられた。

 ティグレ紛争は、 エチオピア北部のティグレ州で政府軍と反政府勢力の間で2020年11月3日に始まり、同国各州や北隣のエリトリアを巻き込んだ内戦に発展。2022年11月に停戦が合意されたものの、今年9月に入って再び衝突が激化し、事実上の停戦崩壊状態に陥っている。 

 反政府勢力は州内の空港を制圧し、隣接するアファール州やアムハラ州の政府軍拠点へ攻勢を仕掛け、エチオピア政府軍は無人機(ドローン)等を用いて反撃。南部のアラマタ周辺などで激しい戦闘により民間人にも死傷者が出、政府軍によると、この二日間だけで700人の戦闘員が死亡しているという。周辺国を巻き込んだ緊張再燃への懸念も高まっている。

 教皇はこうした状況を踏まえ、エチオピアのティグレ州と隣接するアファール州、アムハラ州の状況を「深い懸念を持って注視している」とされ、当事者たちに「対話の道を選ぶよう心から訴える。武力紛争は決して問題を解決せず、かえって事態を悪化させるだけであり、その後には死と破壊、そして恨みの跡を残す。誠実な対話こそが、永続的な平和の礎を築くことができるのです」と訴えられた。

 国際医療NGO「国境なき医師団」によると、9月22日から25日の間に、400人以上の負傷者がコレムとアラマタの病院に搬送され、さらに300人がティグライ北西部のスフルとシャイアの病院に収容された。紛争の被害が最も甚大な地域では、人道支援物資の搬入も依然として困難な状況にある。多くの道路が遮断されているほか、北部ではインターネットや電話回線が完全に遮断されており、支援要員が活動を調整することが不可能になっている。

 エチオピア政府は「隣国エリトリアがTPLFやその他の反政府勢力を支援している」と非難しているが、エリトリア政府は暴力の激化への関与を強く否定している。

 欧州連合(EU)は、「政治的にも軍事的にも状況が急速に悪化している」と指摘し、地域全体を戦火に巻き込む恐れのある紛争の再燃を食い止めるべく、即時の外交的・人道的措置を発表している。

(編集「カトリック・あい」)

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2026年10月1日