♰ 「思い出し」「立ち帰り」「休息し」「修復し」「喜ぶ」ー 9月1日「環境保護のための世界祈願日」の教皇メッセージ 9月1日「環境保護のための世界祈願日」 (2020.9.2 バチカン放送) 9月1日、世界のキリスト教諸教会が参加する6回目の「環境保護のための世界祈願日」を迎え、教皇フランシスコがメッセージを出された。 「環境保護のための世界祈願日」は、環境問題に対する関心と考察を深め、祈ることを目的とし、また、この日から10 月 4 日まで、被造物を保護するための祈りと行動の 月間、「被造物の季節(Season of Creation)」が、キリスト教諸教会と共に行われる。特に「アースデイ(地球の日)」の誕生より50周年を迎えた今年は、この期間を「地球のジュビリー(祝年)」として記念する。 教皇は、2020年度「環境保護のための世界祈願日」のメッセージで、「地球のジュビリー」をキリスト教諸教会と共に祝うことに喜びを表すと共に、この「ジュビリー」において、私たちは何をすべきなのかを説いておられる。 ********** メッセージの冒頭で、教皇は「この五十年目の年を聖別し、全住民に解放の宣言をする。それがヨベルの年である」という旧約聖書「レビ記」(25章10節)の言葉を引用し、聖書における「ヨベルの年(ジュビリー)」とは、「思い出し」、「立ち帰り」、「休息し」、「修復し」、「喜ぶ」べき、聖なる時です、とされた。 ジュビリーは「思い出す時」、とされる教皇は、「私たちはまず、被造物の最終目的は「神の『永遠の安息日』に入ること」であることを思い起こさねばなりません」とされ、同時に、ジュビリーは、「愛の共同体として生きるという、被造物の本来の召命を心に留める恵みの時」であり、「創造主なる神、兄弟姉妹たち、そして私たちの”共通の家”に暮らす全被造物との関係性を改めて思い起こすように」と促された。 また、ジュビリーは「立ち帰る時」でもあり、「この機会に、私たちは、断ち切られ、傷つけられた創造主、他の人々、全被造物の絆を取り戻さねばなりません」と訴え、「神に立ち返り、貧しく弱い人々をはじめとする他者を、再び思いやり、危機を告げる大地の叫びに耳を傾け、自然の秩序の中に戻る努力」を求めた。 そして「神は、大地と人々を休ませるために、安息日を設けられましたが、今日の私たちの生活スタイルは、地球をその限界まで追いやり、絶え間ない生産と消費のサイクルは、環境を消耗させています」と警告。このジュビリーを「休息の時」とし、いつもの仕事の手を休め、習慣的な消費を減少させることで、大地を生まれ変わらせる必要がある、と説かれた。。 さらに、「現在の新型コロナウイルスの世界的大感染は、ある意味で、私たちにより簡素で持続可能な生活様式を再発見させる契機となりました… 今こそ、無駄や破壊につながる活動をやめ、価値や絆や計画を育む時です」と訴えられた。 このため、教皇は、ジュビリーは被造物の本来の調和を取り戻し、傷ついた人間関係を癒すための「修復の時」でもある、とされ、「一人ひとりに自由と財産を返し、他者の負債を免除しながら、平等な社会関係を再び築いていく」ことの必要性を強調。環境上の修復として、大地を癒し、気候のバランスを再び安定させ、生物多様性を守るよう、努力することを求められた。 メッセージの最後で教皇は、ジュビリーは「喜びの時」とされ、大地と貧しい人々の叫びが高まる中、共通の家を再興し、最も弱い立場の人々を守るために一致するよう励ます聖霊の働きを示しながら、特にこの「被造物の季節」が真にエキュメニカルな取り組みとなったことに、大きな喜びを表された。 (編集「カトリック・あい」) ツイート
9月1日「環境保護のための世界祈願日」 (2020.9.2 バチカン放送) 9月1日、世界のキリスト教諸教会が参加する6回目の「環境保護のための世界祈願日」を迎え、教皇フランシスコがメッセージを出された。 「環境保護のための世界祈願日」は、環境問題に対する関心と考察を深め、祈ることを目的とし、また、この日から10 月 4 日まで、被造物を保護するための祈りと行動の 月間、「被造物の季節(Season of Creation)」が、キリスト教諸教会と共に行われる。特に「アースデイ(地球の日)」の誕生より50周年を迎えた今年は、この期間を「地球のジュビリー(祝年)」として記念する。 教皇は、2020年度「環境保護のための世界祈願日」のメッセージで、「地球のジュビリー」をキリスト教諸教会と共に祝うことに喜びを表すと共に、この「ジュビリー」において、私たちは何をすべきなのかを説いておられる。 ********** メッセージの冒頭で、教皇は「この五十年目の年を聖別し、全住民に解放の宣言をする。それがヨベルの年である」という旧約聖書「レビ記」(25章10節)の言葉を引用し、聖書における「ヨベルの年(ジュビリー)」とは、「思い出し」、「立ち帰り」、「休息し」、「修復し」、「喜ぶ」べき、聖なる時です、とされた。 ジュビリーは「思い出す時」、とされる教皇は、「私たちはまず、被造物の最終目的は「神の『永遠の安息日』に入ること」であることを思い起こさねばなりません」とされ、同時に、ジュビリーは、「愛の共同体として生きるという、被造物の本来の召命を心に留める恵みの時」であり、「創造主なる神、兄弟姉妹たち、そして私たちの”共通の家”に暮らす全被造物との関係性を改めて思い起こすように」と促された。 また、ジュビリーは「立ち帰る時」でもあり、「この機会に、私たちは、断ち切られ、傷つけられた創造主、他の人々、全被造物の絆を取り戻さねばなりません」と訴え、「神に立ち返り、貧しく弱い人々をはじめとする他者を、再び思いやり、危機を告げる大地の叫びに耳を傾け、自然の秩序の中に戻る努力」を求めた。 そして「神は、大地と人々を休ませるために、安息日を設けられましたが、今日の私たちの生活スタイルは、地球をその限界まで追いやり、絶え間ない生産と消費のサイクルは、環境を消耗させています」と警告。このジュビリーを「休息の時」とし、いつもの仕事の手を休め、習慣的な消費を減少させることで、大地を生まれ変わらせる必要がある、と説かれた。。 さらに、「現在の新型コロナウイルスの世界的大感染は、ある意味で、私たちにより簡素で持続可能な生活様式を再発見させる契機となりました… 今こそ、無駄や破壊につながる活動をやめ、価値や絆や計画を育む時です」と訴えられた。 このため、教皇は、ジュビリーは被造物の本来の調和を取り戻し、傷ついた人間関係を癒すための「修復の時」でもある、とされ、「一人ひとりに自由と財産を返し、他者の負債を免除しながら、平等な社会関係を再び築いていく」ことの必要性を強調。環境上の修復として、大地を癒し、気候のバランスを再び安定させ、生物多様性を守るよう、努力することを求められた。 メッセージの最後で教皇は、ジュビリーは「喜びの時」とされ、大地と貧しい人々の叫びが高まる中、共通の家を再興し、最も弱い立場の人々を守るために一致するよう励ます聖霊の働きを示しながら、特にこの「被造物の季節」が真にエキュメニカルな取り組みとなったことに、大きな喜びを表された。 (編集「カトリック・あい」)