A crowd-control fence around Capitol Hill in Washington DC (AFP or licensors)
(2021..1.10 Vatican News Linda Bordoni)
教皇フランシスコは10日、主の洗礼の主日の正午の祈りの説教の中で、6日にワシントンで発生、死傷者を出した米連邦議会議事堂襲撃事件に言及し、事件に衝撃を受けた米国の人々に心からのいたわりの言葉を述べるとともに、亡くなった5人のために祈っている、と述べられた。
そして、強い責任感を持って、民主主義を守り、対立している人々が相互に和解の努力を進めるように、米国の人々に対して、強く求められた。
さらに教皇は「暴力は常に自己破壊的な行為を繰り返します… しかし、暴力によって何も得られず、多くが失われるのです」と指摘され、「私が、米政府の責任者たちと全ての米国民に強く求めたいのは、怒りを鎮め、国民の間で和解を促進し、米国社会に根ざした民主主義の価値観を守る為に、強い責任感を堅持することです」と強調された。
最後に、米国の守護者である無原罪の聖母に、次のように祈られたー「共通善を共に構築していく方法として、『出会いの文化』『いたわりの文化』が、この国に住むすべての人々と共に、生き続けますように」。
(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)
*教皇、「民主主義、共通善に反する暴力は無条件で非難。”治療薬”を歴史から学べ」伊テレビ・インタビューで
(2021.1.9 Vatican News staff writer)
教皇フランシスコは現地時間10日夜に放映されるイタリアのテレビ「Canale 5」のインタビューで、6日に米連邦議会議事堂乱入で多くの死傷者を出した事件に言及。この事件を含むあらゆる暴力行為を強く非難するとともに、米国民に「過去から学ぶ」よう呼びかけた。
インタビューで6日の事件について聞かれた教皇は、まず「米国の人々は民主主義の規律をとても良く守っている(注:と言われているにもかかわらず、このような事件が起きたことに)とても驚いています」と述べた。
そして、米国のような成熟した社会にも欠陥はあり、「共同体社会に反対し、民主主義に反対し、共通善に反対する道を選ぶ人たち」がしばしば見受けられる、と指摘。「暴力行為は無条件に非難されねばならない… 誰が行おうとも、常に非難されねばなりません」と言明された。
また、「暴力が一日も、あるいは一件も起きていないと誇れる社会はありません」とも語り、問題は、「暴力を繰り返さないことを理解し、歴史から学ぶこと」ができるか、できないか、であり、「理解することが”治療薬”と見つける唯一の道であり、基本です」と強調された。
なお、このインタビューで教皇は、新型コロナワクチンの接種についても聞かれ、「倫理的」にかなったものであり、他者の命と健康を大事にする見地からも、皆が接種を受けることを希望している、と答え、今後何週間かの内に、バチカンでワクチン接種が行われることになるが、ご自身もその際に接種を受けられるように、同意書に署名していることを明らかにした。
(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)