(2021.2.7 Vatican News LindaBordoni)
教皇フランシスコは7日、年間第五主日の正午の祈りの後で、8日に”インターネットを通じで行われる”人身売買撲滅”を祈る国際的な”祈りのマラソン”を取り上げ、世界の信徒たちに参加を呼び掛けるとともに、特に危険に晒されている数多くの親兄弟などの保護を受けていない未成年者に目を向けるように求められた。
教皇はこの中で、まず「悲しいことですが、自分の故郷を捨てることを余儀なくされている人たちの中には、同行する家族がおらず、一人ぼっちで多くの危険に晒されている子供や青年たちが何人もいます」とし、とくに、いわゆる”バルカン・ルート”を始め、難民のなかには多くの未成年者がおり、「脆弱で無防備なこれらのいたいけな子供や青年たちが、必要なケアと優先的な人道的保護を十分に得られていないこと」に改めて目を向けるように強調された。
”バルカン・ルート”は、欧州に向かう難民の主要経路の一つで、このルートに当たる国々が国境を相次いで閉鎖したにもかかわらず、ここ数週間で見ても、数千人の難民がボスニアヘルツェゴビナ北西部のビハチとヴェリカクラドゥーサに入ったと伝えられている。彼らは、寒さに晒され、新型コロナ感染に怯え、受け入れに難色を示す当局のもとで、事態は悪化している。
また教皇は8日が、スーダンの守護の聖人である聖ジュゼッピーナ・バキタの祝日に当たることに言及。19世紀なかばにスーダンのダルフールの有力者の家に生まれながら7歳の時に奴隷狩りに遭い、10数年にわたって奴隷として転売、虐待を受けた末に、イタリアのカノッサ修道会に保護され、受洗、同修道会の会員として、アフリカで働く若い修道女たちの支援などに尽くし、1947年に帰天。2000年に列聖された。
教皇は「8日は長年の奴隷としての苦しみに耐えたこの聖人を記念する日です。現代の卑劣極まりない人身売買、男女を”商品”とする経済」は無くさねばならず、聖バキータにそのための助けを祈りましょう」と呼びかけられた。
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”人身売買撲滅”を祈る国際デーは、国際修道会連盟(UISG)傘下の女子修道会のネットワーク「Talitha Kum」が主宰して毎年行われており、今回は7回目。新型コロナウイルスの大感染が続く中で、各地で祈りの集会を開くのではなく、インターネットを通じて世界中で”祈りのマラソン”をすることになった。中央ヨーロッパ標準時で8日午前10時(日本時間8日午後6時)から午後5時(同9日午前1時)までを予定し、同標準時午後1時(同午後9時)に全世界同時の祈りを予定している。
(www.youtube.com/c/preghieracontrotratta)で動画中継され、公式ハッシュタグは「#PrayAgainstTrafficking」。行事の詳細は: https://international.la-croix.com/news/religion/pray-for-an-economy-without-trafficking-in-persons/13757で。