(2021.1.1 バチカン放送)
2021年元日、バチカンの聖ペトロ大聖堂で、「神の母聖マリア」の祭日と、カトリック教会の「第54回世界平和の日」を記念するミサが捧げられた。
教皇フランシスコは、坐骨神経痛のために、大晦日と元日の宗教儀式の司式を見送られ、元旦のミサはバチカン国務長官ピエトロ・パロリン枢機卿が司式した。
パロリン枢機卿は、ミサの中で、教皇が用意した説教を代読した。
説教の中で「神の母マリア」を観想された教皇は、「マリアは神と私たちの架け橋であるだけでなく、私たちのもとに来られるために神が通られた道であると同時に、神の御許に到達するための私たち道なのです」と語られた。
そして、「私たちは死ぬためではなく、命を生み出すためにこの世界にいます」とされ、「全てを心に納めていた」(ルカ福音書1章19節)神の母は「『私たちの周りの人に命を与える最初の一歩は、その人を自分の中で慈しむこと』だと教えてくれださいます」と説かれた。
また、「心の中から善は生まれます。人を思いやり、愛せるように心を強めることは重要です… 全ては、他者や、世界、自然をいたわることから始まるのです」とし、「多くの人や物事と出会っても、それを大切にできなければ、意味がありません」と述べられた。
さらに、今、新型コロナウイルスの大感染で深刻な打撃を受けている世界の再生とワクチン接種など新しい治療法がコロナ制圧に効果を上げること期待される中で、「体へのワクチンだけでなく、『思いやり』という心のワクチン」を広めることの重要性を強調された。
代読された説教の最後に、教皇は「聖母が私たちに手を差し伸べてくださるように、私たちも他者をいたわることができるなら、今年は良い年になるでしょう」とされ、新年を聖母の保護に託しつつ、「私たちが神と人々のために時間を割くことを教えてください」祈られた。
(編集「カトリック・あい」)