♰「”ケータイ”の奴隷になってはいけない」ーローマの高校生たちに

(2019.4.13 Vatican News  Linda Bordoni  )

 教皇フランシスコは13日、バチカンでローマのビスコンティ高校の生徒たちに謁見し、情熱と好奇心を育てるように激励するとともに、”ケータイ依存症”に陥ることのないように、と警告された。

 教皇は謁見場となったパウロ6世ホールを埋めた男女の生徒たちとその家族、教員を前に講話をされ、まず「(注:スマホを含めて)電話は(注:人と人とを)つなぐためのもの」だが、「人生は、意思伝達のためのものです!」と語り、彼らが常用しているデジタル機器に注意を向けると、大歓声が上がった。

 さらに教皇は「携帯電話依存症にかからないようにしてください」と注意を与えたうえで、ケータイは便利な道具だが、正しい方法で使わねばならない、と強調された。教皇は用意された原稿を使うことなく、幅広いテーマについて、ポイントを押さえて話を続けられ、「携帯電話は意思伝達のためのもの」であり、(注:本来)素晴らしい、良いものだが、依存症に押し入る危険が、現在、顕著になってきている、と指摘。一人一人が、その使い方を知るべきであり、「携帯電話の奴隷になれば、あなた方は自分たちが与えられている自由を失うことになります」と警告された。

 また、教育を受けることが貴重な権利であると深く信じている、とするとともに、学校は、「包括の文化」と「多様性の尊重」の発展を促進する場、「共同性の未来」を先取りし、準備する研究所でなければならない、と力説されたうえで、「多様性を恐れないでください。違った文化との対話は、この国を豊かにし、私たちの母国を豊かにして入れます。私たちに、特定の人たちだけでなく、全ての人たちのための場所、家がある未来に目を向けることを教えてくれます」と呼びかけられた。

 教皇はさらに、カトリック教会は、第二バチカン公会議の結果を受ける形で、兄弟愛の普遍的な価値ー自由、真摯な真理の探究、特に社会的に最も弱い人々に関わる正義と連帯の強化・促進-の普及・促進を約束している、とされ、「そうした価値の探求なしには、真の共存はあり得ません」と語り、(注:そうであるなら)「申し訳ありません、申し訳ありません、申し訳ありません」ということです、とされた。

 多くの学校で問題になっている「いじめ」についても取り上げられ、「学校での『いじめ』を目の当たりにし、とても心が痛みます」と述べて、”戦争の種”を内包する『いじめ』をなくすために戦うよう、生徒たちに求められた。

 最後に、教皇は若い人たちに「大きな夢を見ること、全ての人にとってより良い世界への希望を持つことを、絶対にやめないように」と強く促し、「人間関係を、自分を磨くことを、自分の将来計画を立てることを、今よりもっと正義が行われる素晴らしい世界の実現に努力することを、いい加減にしてしまわないようにしてください」と呼びかけた。

 そして、明日14日は、キリスト教徒の希望の基礎であるキリストの復活に至る聖週間が始まる日であることを、生徒たちに改めて思い起こさせ、「聖週間は魂の刷新の時、開化の時でもあります」と語られるとともに、謁見参加者全員に対し、「私たちの人生の旅で出会う困難に立ち向かうことのできる力と勇気」を与えてくださる方である主に信頼して、聖週間を過ごすように勧められた。

(翻訳「カトリック・あい」南條俊二)

 

 

 

 

 

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2019年4月14日