☩All Souls’ Day(死者の日)のミサで「戦争で断ち切られた人々の人生のために祈る」

(2023.11.2    Vatican News  Joseph Tulloch)

 ガザ、ウクライナ、イエメンなどで戦争が激化し続ける中、教皇フランシスコはAll Souls’ Day(死者の日)の2日朝、ローマのテスタッチョ地区にある「ローマ戦争墓地」(英連邦諸国の戦没軍人たちが葬られている)でミサを捧げられ、説教で、「私たちより先に亡くなった人々、特に戦争によって人生を断ち切られた人々を心から悼み、神の王国での再会を望んでいます」と語られた。

(以下は「バチカン放送」による)

 時折雨が降る中、厳かにとり行われたミサには、軍関係者や遺族、ローマの行政関係者や市民など、およそ300人が参列。教皇はミサの説教で、この死者の日に「記憶」と「希望」という2つの言葉を示された。

 教皇は、「地上の旅を終え、神の慈しみの中に迎え入れられた人々の記憶を心に留める」よう、参列者を促すとともに、「主とすべての人々との出会いに向かうこの人生の歩みを、希望をもって見つめ、信仰に基づく、決して失うことのない希望をもって、毎日を前進するように」と励まされた。

 また、この墓地に埋葬されている戦没者たちの多くが20歳から30歳前後の年齢であることに触れ、これらの人々の「突然断ち切られた人生」を悼むと同時に、残された家族の悲しみに思いをはせられた。そして、「現在でも、私たちの近くで同じことが起きています」と今日も世界中で続いている戦争に目を向け、「これらの戦争が、何の意識も持たずに命を破壊している」ことを悲しまれた。

 そのうえで教皇は、「今日、亡くなった人々を思い、記憶と希望を保ちながら、主に平和を願いましょう…これ以上、人々が戦争のために命を落とすことがないように」と祈られた。

 また、「多くの無実の人、多くの兵士が亡くなっている。何のためにですか? 戦争は常に敗北です。完全な勝利など存在しません。たとえ相手に勝っても、その裏には常に犠牲という敗北があるのです」と説かれ、最後に、すべての死者を神に託し、「神が私たちに憐みと、神の御元で皆に会えるという希望をくださいますように」と願われた。

(編集「カトリック・あい」)

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2023年11月2日