☩教皇カメルーン訪問初日:各界代表者・外交団と会見「平和は、受け入れられ、実践されねばならない」

(2026.4.15  Vatican News   Linda Bordoni)

    現地時間15日午後、カメルーンの首都ヤウンデのンシマレン空港に到着された教皇レオ14世は、歓迎式の後、大統領官邸に向かわれ、同国の各界代表、外交団と会見され、「平和、正義、そして公益への新たな献身」を訴え、カメルーンの人々に、「豊かな多様性を団結と力の源泉として活用するように」と促された。

 教皇は挨拶で、まず、温かい歓迎に感謝の意を表された。そして、その文化的・自然的な豊かさからカメルーンを「アフリカの縮図」と表現され、「この多様性は弱さではなく、宝物。兄弟愛の約束であり、永続的な平和を築くための強固な基盤となるものです」と指摘された。

*対話と希望の使徒

そして、自らを「対話、兄弟愛、平和の羊飼いであり、その僕」と位置づけた教皇は、「今回の訪問がすべてのカメルーン国民への親近の証であり、公益の構築に粘り強く取り組むよう励ますもの」と語られた。

そのうえで教皇は、世界的に広がる落胆の気運を認め、「絶望が蔓延している」こと、そして多くの人が差し迫った課題を前に無力感を抱いていることを指摘する一方で、特に若者たちの間には「正義への渇望……勇気ある選択と平和への渇望」が依然として存在する、と強調し、「より公正な社会を築くために積極的な役割を果たすように」と若者たちに呼びかけられた。

また、人間の尊厳と宗教の自由への尊重に基づき、カメルーンとの協力を強化するという聖座の決意を改めて表明された。

*謙虚さと責任をもって奉仕する

 

歴代教皇の遺産を振り返られた教皇は、「希望、和解、そして責任ある統治を求める歴代教皇の呼びかけが、今もなお重要な意味を持ち続けていること」を指摘。

聖アウグスティヌスの言葉を引用し、教皇は指導者たちに対し、権威とは根本的に奉仕の一形態であることを想起させ、「統治する者は、権力への愛からではなく、他者に対する義務感から統治せねばなりません」と強調。「そのような奉仕には、少数派を含むすべての人々の幸福への献身と、社会内の調和の促進が不可欠です」と説かれた。

*苦しみの中での平和への訴え

 

カメルーンが直面する課題に言及された教皇は、北西部、南西部、極北部などの地域を襲う暴力について率直に語り、紛争によって引き起こされた「深い苦しみ」―失われた命、避難を余儀なくされた家族、そして希望を奪われた若者たち―に思いをはせられ、「数字の背後には、実在する人々の顔、物語、そして打ち砕かれた希望があります」と語られた。

そのうえで教皇は改めて、「愛と正義に基づく」平和を支持し、「暴力と戦争の論理」を拒絶するよう強く求められ、「真の平和を非武装、かつ武装解除をもたらすものであり、心を開き、信頼を育むことができるものです」と言明。「世界は平和を渇望している… 戦争はもう十分です… 平和は決して空虚なレトリックに矮小化されることなく、日常生活や制度の実践の中に具現されねばなりません」と訴えられた。。

制度と市民社会の役割

また教皇は、「平和は、権威ある立場にある人々から始まり、皆が共有すべき責任です」と言明。「統治するということは、市民の声を真に聴くこと、そして永続的な解決策を形作る上で彼らの貢献を尊重することです」と強調された。

そして、社会政策への新たなアプローチを求め、「貧困層の参加なしに、貧困層のために行われる取り組みを乗り超えていく必要性を反映したもの」とされた。そして、市民社会の極めて重要な役割を強調し、調停、避難民への支援、対話の促進における取り組みに対し、各種団体、若者や女性のグループ、労働組合、NGO、そして宗教指導者たちを称賛。「こうした団体が草の根レベルで活動しているからこそ、紛争の根本原因に取り組み、平和の文化を育むことができるのです」と励まされた。

教皇は特に女性の貢献に感謝の意を表し、彼女たちを「たゆまぬ平和の使者」と称え、教育や社会の再建における彼女たちの働きは不可欠であるとされ、「意思決定の過程において、彼女たちの声が十分に認められねばなりません」と訴えられた。

*誠実さ、正義、そして腐敗との闘い

 

教皇は、「国民の信頼を回復する上で、透明性、法の支配、そして信頼できる制度の重要性」を強調。当局者たちに対し、「分裂の原因ではなく、常に架け橋となる」よう求め、治安対策が常に人権を尊重するものであることを確保するように」と求められた。「誰もが守られ、耳を傾けられ、尊重されていると感じるとき、真の平和が生まれるのです」。

さらに、腐敗に対して警告を発し、それを「権威を歪め、その信頼性を奪う力」と表現。また、指導者たちに対し、「利益への偶像的な渇望」から脱却するよう促し、「真の進歩の尺度として人間全体の総合的な発展」に努めるよう願われた。

 

 

*若者への投資と未来

 

再び若者について言及された教皇は、彼らを「国と教会の希望」と表現しつつ、失業、排除、社会的疎外がもたらす危険性を認め、「若者の教育、訓練、起業家精神への投資は…平和のための戦略的な選択です。それが移民の防止や、薬物乱用や搾取といった社会悪との闘いにおいても鍵となる」と強調。

カメルーンの若者たちが持つ深い霊性を称賛し、「それが適切に育まれれば、平和、正義、連帯への献身を促すことができます」と述べられた。

*和解に向けた共通の道

 

教皇は、宗教間対話の深化と、調停活動への宗教指導者の関与を奨励し、「区別なくすべての人々に向けた教育、医療、慈善活動への教会の継続的な取り組み」を強調された。

また、人間の尊厳と和解を促進するため、「行政当局や国際的なパートナーとの継続的な協力」へ希望を表明された。

挨拶の最後に教皇は、カメルーンとその国民に神の祝福を祈られ、「神がカメルーンを祝福し、カメルーン国民すべてに… の国を受け入れる恵みを与え、そうして正義と平和の未来を共に築くことができるますように」と願われた。

(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)

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2026年4月16日