
(2022.4.24 Vatican News Devin Watkins)
教皇フランシスコは24日、復活節第二主日の正午の祈りで、東方典礼カトリック教徒と正教会の信者が主の復活を祝うのを機に、ウクライナでの戦争のイースター停戦の実現を改めて、関係国指導者たちに訴えられた。
*”主の復活の喜びの音”ではなく”兵器の音”が聞こえる
正午の祈りの説教で、教皇は、正教会のキリスト教徒と東方典礼カトリック教徒に対して心を込めた挨拶をされ、平和を傷つけている現在の戦争の残虐行為に深い悲しみを示された。
そして、「イエスが平和を与えてくださいますように。平和が、戦争の野蛮な行為によって傷つけられています」とされた。
ロシアがウクライナに軍事侵攻を初めて2か月が経った24日、攻撃がさらに激しさをを増していることを指摘された教皇は、次のように嘆かれた。
「すべてのキリスト教徒にとって最も神聖で厳粛なこの時期に、”主の復活を告げる鐘の音”ではなく、”人を殺す兵器の音”が聞こえるのは悲しいことです。 ”言葉”の代わりに”武器”が使われているのは悲しいことです」
*政治指導者たちは、平和を切望する国民の声を聴いて!
そのうえで、教皇は、「イースター停戦」を改めて訴えられ、「これは、平和への強い願いの、最小限の、最も分かりやすい印です」とされたたうえで、「苦しんでいる人たちを助けるために、攻撃が止めるように。私たちが立ち止り、ご自身が復活された日に(注:ユダヤ人の襲撃を恐れて家にこもっていた)弟子たちに現れて「あなたがたに平和があるように」と言われたイエスの言葉に従いますように」と願われた。
さらに、世界の全ての人に、「ウクライナに平和が回復されるよう祈るように、『平和は可能だ』と言う勇気を持つように」と求められ、世界の政治指導者たちには「戦争の拡大ではなく、平和を切望しているあなた方の国民の声に耳を傾けてください」と懇請された。
*カメルーンからの巡礼者と共に永続する平和を祈る
また教皇は、正午の祈りに参加したカメルーンからの巡礼者に連帯を示され、アフリカのこの国を聖母マリアに再奉献し、平和を祈られ、「今日、カメルーンの司教たちと信徒の方々は、ドイツのマリエンベルクのマリア聖堂に巡礼さら、自国を神の母に再奉献し、その保護に委ねています」と語られた。
そして、「カメルーンの信徒たちは、これまで5年の間に、いくつかの地域で暴力により傷つけられた自国の平和が復活するように祈っています」とされ、すべてのキリスト教徒に共に祈るよう促され、「神が、聖母マリアの執り成しを通して、この愛する国に、真のそして永続的な平和を与えてくださいますように」と祈られた。
(翻訳・編集「カトリック・あい」南條俊二)